しごと
2023/02/28
【働き方は生き方だ】働く意味と「ブランク」について ~今だけでなく未来にも目を向けて選択しよう
しごと,働き方は、生き方だ
キャリアアドバイザーとして日々求職者の皆さんと「今のお仕事のこと」、「これからのお仕事のこと」について様々なお話を伺います。
お話を伺いながらいつも感じることは、「働くこと」や「働く意味」は求職者それぞれに違うということです。
もちろん、働くということは、収入を得ることが大きな目的ではありますが、「収入を得る」目的も人それぞれです。
自分が生活するための収入があればいい
シングルマザーで子供を育てていかなければいけない
どちらも収入を得るために働くことに違いはありませんが、その必然性には少し違いがあるように感じます。
ここでは、「働く意味」にフォーカスして、これまで私が見た求職者の仕事探しについてご紹介します。
※下記の例は多数の相談経験をもとに作成した架空のものです。実在の人物や団体とは一切関係ありません。
2つの事例で見る働く意味
<case1> Aさん/40代 女性 独身 両親と同居
大学を卒業して食品メーカーに就職。20代の頃は正社員で仕事をしていました。
入社したころはわからないことばかりで毎日必死で働いていましたが、年々仕事に慣れ、新しいことへの刺激も少なく転職を決意。転職は成功したものの、その後も収入やエリアにこだわって仕事を探しながら30代を過ごしました。
両親と同居していることもあり、生活費の不安も大きくなかったため、就業先の待遇や環境に疑問を持つたびに、転職を繰り返し、「良い求人が出たら就職したい」と希望を持ちながら、短期の仕事を繰り返しながら収入を得ていました。
40代になったころから、再び正社員で働きたいと考え、興味を持った正社員求人への応募をしましたが、書類選考で不採用になることがほとんどで、なかなか思うような就職はできませんでした。
現在は、正社員を視野に入れながら、まずは事務の経験を積むために派遣の仕事を探されています。
Aさんは「もっと早く本気で求職活動していたらよかった」と感じられているようです。
Aさんの場合、40代になり自分の将来に不安を感じ始めたことをきっかけに初めて自分のキャリアに向き合い始めた事例です。
40代になるまでのAさんにとって収入を得ることは大きな課題ではなかったのかもしれませんが、その間に少しでも将来のキャリアを考えていれば、自分の望むキャリアの実現にもう少し早く近づけたのかもしれません。
<case2> Bさん/30代 女性 既婚 子供あり
「離婚するので仕事しないといけない。」かなり切羽詰まったご相談でした。
高校卒業後、官公庁で事務職を6年ほど経験し、20代で結婚。結婚後は仕事を辞め、「家庭を優先したい」と家事や子育てに専念をしていました。
離婚を機に自らが収入を得なければならなくなり、就職活動を開始。数か月後、収入面は希望より下回るものの譲れない勤務時間帯と休日の条件をクリアする事務の仕事に就くことができました。
収入面は希望通りではありませんが、「ここで経験を積んで更なるキャリアアップを目指したい」と前を向いてがんばっています。
実際に就職活動をしてみて、Bさんは「もっと時間に余裕がある間に仕事復帰を考えていれば良かった」と感じられたようでした。
Bさんのケースは結婚当初は考えもしなかった状況になってしまった事例だと思います。未来のことは誰にもわかりませんが、自分が思いもよらない将来があるということも、考えておく必要があるのかもしれません。
AさんもBさんもそれぞれの事情や考えの中でこれまでのキャリアを選択されています。お二人のように、「今の生活には困らないから」という基準でキャリアの選択をされている方は少なからずいるように感じます。
お二人のケースからわかることは、「今の生活」だけにフォーカスして考えていると、将来自分の目指すキャリアができた時、目標達成の足かせになってしまうことが起こりうるということです。
未来を見据えて「働く意味」を考える
人生100年時代と言われている時代に、「今の生活」を見ているだけでは危険です。10年後、15年後、30年後を想定してみて下さい。
年金はどうだろう、貯蓄はどうだろう、いろいろ不安に思うことはあります。また、年齢を重ねるのは自分だけではありません。家族も同じように年を重ねます。今、家族に心配はなくても、将来が今と同じとは限りません。
将来の生活力は自助努力ありきです。
仕事のブランクそのものが全て悪いというわけではありません。目的を持った必要なブランクもあると思います。
現実問題として子育てのため、精神的にリセットをするため、キャリアアップやキャリアチェンジを目的としてスキルを上げるためなど、ブランク期間の過ごし方も様々です。
ただし、いざ「働きたい」「働かなきゃ」となった際にブランクが大きな壁となることが多いのは事実です。
ぜひ、未来を見据えて働く意味や少し先のキャリアを考えてみてほしいと思います。
【働き方は、生き方だ】普通の私のキャリア形成 【働き方は生き方だ】過去のシリーズ |