価値観・・・それは基本的に物事に対して人の考え方を示す言葉で、人生観や仕事観などの意味をもつ言葉だと思います。

人は自分と違う価値観に触れたとき、どんな反応を示すのでしょう?

私が自分と違う価値観に触れたとき

私の家族構成は、主人と娘が1人。主人は現在単身赴任中で、双方の両親は県内在住という状況です。主人の単身赴任が長期のため、娘が小学1年生になった今年4月に、これまで住んでいた町を離れ、田舎の実家へ引越しを決意しました。

私も娘も知り合いのいない場所での新生活がスタートして約半年が経ちましたが、新しい場所でこれまでになかった価値観に遭遇します。

引越し後、私は実家から片道40分程電車に乗って、以前と変わらない職場へ通勤する生活になりました。駅までの移動時間を含めると通勤時間は約1時間。その様子を知った近所の方が不思議そうに話しをしてきました。

「なぜ1時間もかけて会社に行くのか?この辺りの人は、自宅近隣の職場で車で通勤できて、子どもの迎えにもサッと行ける場所で働いている。旦那さんもいないのであれば負担もあるし、子どもへの影響もあるし仕事を変えることは考えていないのか?」

正直、状況を深く知らない近所の方に、こういった問いをされることに驚き、返答に悩みました。

この方の言っていることが常識で私がしていることは非常識なのか?

子どものことも考えているつもりだったけれど、悪影響を及ぼすようなことをしているのか?

その答えを考えながら数日経ったある日、小学校の懇談会で同じクラスのお母さんと話をしていた時のこと。

「学童は小学校に隣接している所を利用しているの?」との問いに、

「隣り町の民間学童を利用しているんです。下校時刻にバスで学校までお迎えにきてくれて、宿題も指導してくれたりと便利なので。」と答えました。

すると「えー!隣接の学童の方が安いし、同じ学校のお友達ばかりだし、その方がいいのでは?そんなお迎えにきてくれるような学童、高そうだし勉強ばかりさせる感じで大変そう。うちの子にはまぁ無理な学童だわ。」と返ってきました。

宿題をしっかりとみてくれて、働いている私からすると良い学童なんだけどなぁ。でも子どもにとって、顔馴染のあるお友だちばかりの方が溶け込みやすく楽しかったのだろうか?

こんなことがあって、なんだか数ヶ月間、気持ちはモヤモヤ、異空間にきたようでした。

価値観を受け入れる

モヤモヤした気持ちを親しい友人に話した時、その友人がヒントをくれました。

「これまで住んでいた町では、それぞれの家庭が自分たちの生活に合った手段を自分で調べ・選択していた。ましてや近所の方や同級生のお母さんから、自分の家庭の在り方に対して何か言われることがなかった。けれど新しい場所では、自分の周囲の人たちのことをよくみて気づいたこと思ったことをストレートに教えてくれている。【おせっかい】と思うこともあるかもしれないが、深く話をしていくことで違う価値観が得られるかもしれない。それって面白いし楽しくない?」

なんだか、ハッとしました。

私の個人的なエピソードは、ほんの一コマに過ぎませんが、価値観を広げる(=視野を広げる)ことは、こうした日常の小さなことからも出来るのかもしれません。

では、どのように価値観を広げていけば良いのかを考えてみました。

・人それぞれの価値観があることを知る

・自分を客観的に見るトレーニングをする

・新しい場所に行ったり体験したりする

・読書やネット検索をする

・少し苦手だと感じる人とコミュニケーションをとる

・勉強やスキルアップする

・仕事を変えてみる

意識すれば少しずつ実践できそうな気がします。

考えてみると、このような自分のちょっとした意識改革が必要なのかも?と感じる場面は、職場でもありませんか?

私の職場では、最近「DX」をテーマに業務改善に取り組んでいます。改善に変化は付きものですが、過去の仕事の進め方に固執してしまい、業務改善が進展しないことがありました。社員1人ひとりが、少しずつこれまでと違った価値観を受容することを意識し、変化に対応しなければ、スムーズな業務改善には繋がらないのです。

自分の価値観を広げよう

もしかすると、私たちは年齢を重ねるにつれて自分以外の価値観を受け入れることを知らず知らずのうちに拒否しているのかもしれません。それは自分自身のこれまでの経験があるからだと思います。一方で、自分とは違う価値観に触れる機会を得て、これまでに自分になかったものを取り入れてみることは、新しい人生観や仕事観に出逢うきっかけになるかもしれません。

自らの経験をもとに自分の価値観を持つということは大切にしながらも、新しい価値観を少し受け入れることができれば、より柔軟な心を持った、よりよい人生を送るきっかけになるかもしれませんね。

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