近年、企業においてイノベーションが重要視されるようになりました。

でも、インベーションを推進する人材は採用困難、社内の人材育成には時間を要する…
イノベーションのスピードが上がらないとお悩みの経営者・担当者の方も多いと思います。

 本コラムでは他責思考が組織のイノベーションになぜ必要なのかについてご紹介します。

 アイデアは他責からはじまる

他責思考とは、責任の所在が自分以外の外部環境にあるとする思考です。
一見、イノベーションを推進するには個人の主体性や自責思考が必要と思われるかもしれません。
「他責思考では成長しない」といったようなことを、皆さんも聞いたことはないでしょうか。

実は他責思考も組織のイノベーションにおいて重要な役割を果たします。
 個人的な経験では、出張申請がいつもギリギリで叱られるものの、スケジュールを入力するシステムと別システムを立ち上げる必要があり、そのひと手間が面倒で改善することができません。
出張日の1週間前に「申請する」というスケジュールを入力したり、手帳に書いたりと、実は手間をかけた予防策をとっています。

それを他責で考えてみると、「同時に処理できないシステムが不便」となる訳です。
そこから解決のためのツールを探したりと効果的な改善策が立てれるようになります。

 自責だけでは限界がある

何か問題が起こったとき、その原因が自分にあるとしてとらえるのが自責思考ですが、ビジネスの場では、問題に対して当事者意識を持って取り組むポジティブな意味でよく使われます。自己成長のためには、とても大切な考え方です。

ただ過剰な自責思考は、「確認を怠った自分が悪い」とか「自分の能力が低いから時間がかかってしまった」などと社員の疲弊に繋がり兼ねません。
何より「自分が悪い」と考えることだけが正しいとなると、イノベーションに繋がるアイデアが生まれない組織になってしまいます。 

他責で考えるときの注意点

注意したいのは、他責といっても「人のせいにしない」ということです。

人を対象にするという点は自責と同じですよね。
責任感が一番強い人がその問題を抱えて苦しんでしまうことにも繋がります。

責任の対象は「人」ではなく、「仕組み」「システム」「プロセス」と考えていくと、とても前向きで明るい課題解決になっていくはずです。 

組織力を向上していく

50年後には65歳以上の割合が40%となり、生産年齢人口は急激に減少していきます。

2023年の人手不足倒産件数は過去最高ペースとなっています。

採用競争激化と人口減少が会社経営に直結していく現実があり、働き方改革や仕事の生産性向上が急務である今、求められるのは個人の責任を必要以上に問う自責思考を強要することではなく、他責思考をうまく使って組織全体をよくしていくことではないでしょうか 

弊社では、人材派遣・人材紹介・BPO・研修事業を通し組織の生産性向上にも貢献して参ります。