クリエアナブキ キャリアコンサルタントの後藤 彰久です。

転職支援をしていて最近感じていることのひとつに、内定を獲得したものの、現職の退職ができずに内定を辞退せざるを得ないというケースが、以前に比べて増加しているという傾向があります。優秀な人材の争奪戦が激化していることが原因でしょう。退職を申し出たときに強力な引き留めを受けるケースがたいへん増加しています。

今の職場に残るという選択が悪いわけではありませんし、転職活動を通して得られるものも多くあるとはいえ、そのタイミングでの方向転換はできれば避けられたほうがよいでしょう。

そこで今回は、現職中での転職活動において欠かせない退職交渉について、基本行動を考えてみたいと思います。
 

転職を成功させるためのステップ

転職活動において重要なポイントは非常に多くあります。
順番に記載をしていきますと、おおむね次のようなステップになります。

【転職活動】

ここまでは皆さんよくご理解されているのですが、在職中の方は、このステップに並行して「現職」があります。多くの方は内定獲得後に、退職を申し出て退職の手続きをすることになります。すなわち、「退職交渉→業務引継ぎ→退職」が成立して、初めて転職先に入社ができ、そこで「転職成功!」となるわけです。

【在職中の転職活動】

最初に申し上げたように退職および転職をあきらめるケースが増えてきているのは、この赤枠の部分、退職を申し出た際に強力な引き留めに受けるケースが非常に増えてきているということが原因です。

よりスムーズに転職を成功させるためには、事前に退職交渉の対処を準備しておくことが重要といえるでしょう。

いつまでに、退職の手続きを確認するか

では、退職するための手続きをいつまでに確認しておけばよいでしょうか。

少なくとも、転職活動開始するまでに最低限調べておくことが必要です。

なぜならば、面接時に「いつごろ入社できますか」という質問が、2次面接以降で非常に多く出されるからです。退職ルールを押さえておかないと、いいかげんな回答をして採用企業に不信感を与えてしまい、不採用という最悪の結果に結びつくことすらあります。

転職活動をはじめることを決意されたら、まずは、自社の「就業規則」を熟読して、「何日前に退職の申し入れをすれば退職可能か」をリサーチしておくことが大切です。

退職交渉の前に準備すべきこと

内定後は、就業規則で確認した期日や内容に従い、強い意志を持って退職交渉に臨んでください。

まずは、直属の上司に申し出をすることが一番スムーズに話を進めることができると思われます。ただし、この時すんなり「了解」と言われるケースはほとんどありません。「もう一度考え直してほしい」「一旦私に預からせほしい」などの言葉で慰留されることが多くあります。「次の後任が見つかるまで会社にいてほしい」と長期間にわたり転職させないようにする会社もあります。

もっとひどい会社の場合には、「絶対に退職させない」「法的手段で阻止する」と恫喝されるケースもあります。

ここでの押さえておいていただきたいことは、法的に労働者が自分の意思で辞めたいと思ったときには、自由に退職することができる」ということです。

憲法第22条1項に規定されている「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択 の自由を有する」を十分に理解しておき、いざという時には反論ができる準備をしておかれることです。

会社によっては、競合会社への転職禁止や制限を規程で定めている場合もあります。こちらも、知っているのと知らないのでは対応に大きな差が生じることになりますので、事前に就業規則などを調べておいてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
以上、お話してきましたとおり、内定を獲得した後も大きな試練が残っております。
このコラムでは、基本的なことしかお伝えできませんでした。

でも安心してください。

転職のプロであるコンサルタントは、転職と同じくらい数多くの退職事例を知っています。
私たちクリエアナブキのコンサルタントは、転職相談者の皆さまが気持ちよく新しい職場での第一歩を踏み出せるよう、退職に関することもサポートもさせていただいています。
会社の同僚や先輩などには相談しにくい退職に関するアドバイスが受けられることも、転職活動にエージェントを利用することで得られる大きなメリットと言えるでしょう。