こんにちは。
クリエアナブキ中国・四国UIターンセンターの鳥取です。
コラム2回目は、「Uターン介護奮闘記-同居してみてわかったこと」です。

前回のコラムでは、母の介護を目的として地元にUターンしたことをお伝えしました。
実体験から伝えるコロナ禍のUターン介護。今年、田舎へ帰ることになりました。

現在、移転して約3か月。
ようやく、子どもも含め、みんなが生活サイクルに慣れてきたころです。 

作っている料理が途中で変わる

母は12年の間一人暮らしをしていましたが、当初は楽しめていた一人の生活も、近年は毎日の生活をまわすだけになっていたようです。恐らく、いろんなことができていなかったり、おざなりになっているんだろうなと予想はしていました。

しかし、最も予測できなかったのは、料理がほとんどできなくなっていたことでした。
これは、かなり衝撃でした。
ちょっと忘れてしまっただけで、少しやり始めれば調子が戻るかな?と当初は思いましたが、そうではなかったのです…。

例えば、こんな具合です。 

私:「これから豚汁を作るから、キッチンに材料を並べておくね。(豚肉、人参、ゴボウ、さつまいも、しらたきを並べる)ちょっと洗面所へ行くけど、先に野菜を切ったりして進めてもらってもいい?」

母:「豚汁作るんだね。わかった。」

それから数分して戻ると…

母:「ごぼうサラダを作るんだよね?」

と言って、ゴボウを細切りに。数分でメニューが変わっているとは、予想外すぎる…。
こういった幻というか、天からお告げが降ってきた??と思うような突拍子のない言動はたびたびあり、予定して何かをやる、ということは難しいようです。 

料理の手順も細かく確認しながらでないと、途中でわからなくなって手が止まってしまうため、隣で見ていなければなりません。新しいことを取り入れることも難しいため、何を作り始めても結局、迷いなく作れるみそ汁など、わかっている料理にいつの間にか戻っていたりします。本当に冗談のような状況です。 

同居する前には、来訪して3~5日ほど泊まることは多かったものの、食事を作ってもらうのは申し訳なく思い、自分で作っていたため、料理が作れなくなっていることに全く気づかなかったのです。

食材の買いだめが極端に多い

今思えば、冷蔵庫やキッチン戸棚の中に置いてある食材が、同じアイテムが10個あるとか、買いだめが異常に増えていたことも一つのサインでした。

冷蔵庫、冷凍庫ともにいっぱいになっていないと落ち着かないらしく、かといって生鮮食品はほとんどなく、きな粉、あずき、コーヒー、スライスチーズ、数々の調味料といったものがびっしりです。

本人いわく、買いなれたアイテムがなくなることを恐れ、買い物に行くたびに「日持ちがするから」という理由で、買い集めてしまっていたようです。
当然、調味料の期限切れも多く、その整理が大変…。一人暮らしでは使いきれない、ということは気づかなかったようです。

この辺は、認知症ということに関係なく、おばあちゃんあるあるなのかもしれません。ですが、数が減っていないとか、使う形跡がないとか、そういう疑いは持っても良かったかなと後で思いました。

今、取り組んでいること

現在、母が取り組んでいることの一つに、まずは「レシピを何とか思い出せる料理を作れるようになろう!」という試みをしています。

作れそうな料理を1つ1つ思い出して書き出してもらい、それを実際に作って自信をつける、という狙いです。夕食のメニューを考えるのは少し難しそうだけど、料理を作り慣れることで、日々の生活のリズムが整い、楽しめるようになればと思っています。

今回は料理の観点からお話させていただきました。
今後も引き続き、Uターン介護奮闘記をお伝えします!