クリエアナブキ 中国・四国UIターンセンター渋谷オフィスの瀧 周太郎です。

先日、娘の七五三のお参りに行ってきました。
うれしそうに家族に手を引かれている子どもたちの晴れ着も、以前は伝統的なイメージの赤や桃色が多かったのが、近頃は緑や水色、紫など、本当に色とりどりになったとなぁと思い、また、そんなことを考える自分も年をとったなぁと感じた今日この頃でした。

さて、先日、日本経済新聞に「有効求人倍率 9月も高水準 1.52倍、正社員は最高」という記事が掲載されました。このタイトルだけを見ると正社員での転職がしやすそうに見えますが、実際はどうなのでしょうか。

今日は、有効求人倍率について考えてみたいと思います。

有効求人倍率とは


求人倍率には、「有効求人倍率」と「新規求人倍率」があり、「有効求人倍率」は労働市場の状況を考える指標、「新規求人倍率」は景気の先行きを示す指標などに使われます。

求人倍率には細かい定義がありますが、今回話題になっている「有効求人倍率1.52倍」を簡単にわかりやすく説明すると、今仕事を探している人10人に対して、15.2個の求人があるということです。逆に有効求人倍率が0.5倍というと、今仕事を探している人が10人いても、求人が5個しかないということです。

現在の有効求人倍率が1.52倍というのは確かに高い水準で、「人手不足」「活発な転職市場」など新聞をにぎわすキーワードを証明している数字だと思います。

では、実際に転職がしやすい状況なのでしょうか。

有効求人倍率と転職しやすさというのはイコールではないと私は考えています。

職種別の有効求人倍率と転職の難易度の関係

厚生労働省が6月に発表した職種別一般職業紹介状況[実数](含パート)を見てみると職種によって有効求人倍率が大きな差ができています。

特に注目したのは、「事務的作業」と「サービスの職業(介護、接客等)」の有効求人倍率です。

「事務的作業」は0.4倍、「サービスの職業(介護、接客等)」は3.02倍でした。
すなわち、事務系の仕事に就くための競争率はとても高く、サービス系の仕事は人手不足になっているということです。

実際、転職支援の相談をしているときも「事務職希望」という声をたくさん聞きます。
「事務職」といっても一般事務から経理や人事、総務など非常に幅は広いですが、全体で0.4という数字は、全職種平均からしても非常に低い数値で、全国的に見ても転職が容易ではない職種であるといえるでしょう。

また、今や1人1台パソコンが用意されていることは当たり前になり、更にタブレットやモバイル機器の発達により事務所外での報告や作業をするようになってきている現在、つい10数年前と比べても大幅な技術の進歩により、事務処理にかかる手間や時間が劇的に削減されています。
10年後にはAI(人工知能)などの進歩により事務職はなくなるという予測がなされるほど、更なるITやAIなどの技術革新により、今後も事務職の需要は少なくなっていく可能性が高いと考えています。

逆に、常に「人手不足」や「時給高騰」が話題になる介護や接客業は、人手が足りていないのが数字でも明確になっています。「時給を上げてもアルバイトが集まらない」などの報道を見聞きした方も多いのではないでしょうか。

こちらも、ITの進歩で過去と比べるとシステムや機器で代用できることも増えてきていると思います。それでも常に人手不足になるのが、この職種だと思います。

したがって、何の仕事をしたいかということによって、仕事の探しやすさはまったく違ってくるということです。
すなわち、有効求人倍率1.52倍というのは「選ばなければ仕事がある」という状況でしょう。

 まとめ

私は、転職をしたい方の支援をさせていただいていますが、個人的には転職しなくてすむ環境であればそれが一番良いのではと思っています。

転職は一生を決める大事な選択の場だと思っています。安易に転職を繰り返すことにならないよう、正しい情報を確認してすすめていくことが大事ではないでしょうか。

キャリアコンサルタントが国家資格になって1年以上が経ちました。ご自身のキャリアや転職を考えたとき、プロに相談するのも一つの手です。UIターンの転職も含めて何かわからないことがあれば、いつでもキャリアコンサルタントにご相談ください。