以前、こちら でもユーザー設定リストの追加方法について触れているのですが、作成したリストを使った並べ替えの手順も含めてもう一度書きます。
並べ替えは表の中に同じデータのカタマリを作るためにも使います。
たとえば、下左図の [顧客ランク] 列には「SS」「SA」「S」「A」「B」という文字列が格納されていますが、これを下左図のように、顧客ランクのカタマリを作ってランクの高いデータから順に表示したいとき、単純な [降順] では「A」のカタマリが一番下にきます。
組織的なルールでは「SS」が一番高く、「B」が一番低いランクだとしても、そんなことを Excel は知らないので、アルファベットの降順で並べ替えられます。
下図右のように、並べ替えを実行したときに、「SS」「SA」「S」「A」「B」 (高い → 低い) の順序でデータのカタマリができるように、ユーザー設定リストを用意してから並べ替えを実行してみます。
ユーザー設定リストについて
ユーザー設定リストは、順序の決められた複数の項目のリストです。
あらかじめ Excel に組み込まれているリストには、「1月」 ~ 「12月」や「第1四半期」 ~ 「第4四半期」、「日曜日」 ~ 「土曜日」などがあります。
組み込まれているリストを削除したり編集したりすることはできませんが、新しいリストを追加して利用することができます。
ユーザー設定リストという言葉を知らなくても、フィル ハンドルを使って連続データを入力するときなどに利用している方もたくさんいらっしゃると思います。このリストの項目を並べ替えの順序として利用できます。
ユーザー設定リストを作る
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(あとで消すのでどこでもよいから) ユーザー設定リストとして登録したい項目を使用したい順番でセル範囲に書き出します。
縦方向に上から下へ書き出してください。
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書き出した項目のセル範囲を選択して、[ファイル] タブをクリックします
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バックステージ ビューの [オプション] をクリックします。
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[Excel のオプション] ダイアログ ボックスの [詳細設定] をクリックします。 (一番下までスクロールして) [ユーザー設定リストの編集] をクリックします。
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[ユーザー設定リスト] ダイアログ ボックスの [リストの取り込み元範囲] ボックスに、あらかじめ選択していたセル範囲が指定されています。
[インポート] をクリックします。
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セル範囲に書き出しておいて項目がリストとして追加されます。
[OK] をクリックします。
ちょっとおまけ
[ユーザー設定リスト] を表示して、[リスト項目] に 1 つずつ項目を入力してもよいのです。
ダイアログ ボックスで 1 つずつ入力するよりもあらかじめセル範囲に書き出しておくほうが編集しやすいと思うので、今回はインポートの方法を取り上げています。
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[Excel のオプション] ダイアログ ボックスの [OK] をクリックします。
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ユーザー設定リストの追加に使用したセル範囲の文字列は消します。(消してしまっても問題ありません。という意味)
ユーザー設定リストの順で並べ替える
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並べ替えを実行したいセル範囲やテーブルの中で右クリックして、[並べ替え] の [ユーザー設定の並べ替え] をクリックします。
セル範囲やテーブルの中にアクティブ セルをおいて、リボンの [データ] タブの [並べ替えとフィルター] グループの [並べ替え] をクリックしてもよいです。
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[並べ替え] ダイアログ ボックスの左端のボックスで並べ替えに使う値が格納されている列を選択し、右端のボックスで [ユーザー設定リスト] をクリックします。(中央のボックスは [セルの値] のままで OK)
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[ユーザー設定リスト] ダイアログ ボックスで並べ替えの順序として使用するリストをクリックして選択し、[OK] をクリックします。
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[並べ替え] ダイアログ ボックスの右端のボックスに選択したユーザー設定リストの項目が表示されます。 [OK] をクリックします。
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テーブルやセル範囲が並べ替えられます。
データ量にもよりますが、組織で決められた順序でデータをまとめたいというときに、手作業でコピーや移動を繰り返すよりも、一時的であってもユーザー設定リストを作成して対応したほうが正確に行えるかもしれません。
自分が作成した追加したユーザー設定リストは削除できます。いらなくなったら削除してください。
ちなみに、並べ替えを実行した後でユーザー設定リストを削除したとしても、現在のワークシート上のデータの順序が変わってしまうなんてことはありません。あくまでも並べ替えを実行したときにリストの順序を使っただけ、と考えましょう。
石田 かのこ