2011年入社
前職:人材サービス業界
M.Kさん
※インタビューは2025年11月に実施しました。所属とインタビュー内容は当時のものです。
2011年入社
前職:人材サービス業界
M.Kさん
※インタビューは2025年11月に実施しました。所属とインタビュー内容は当時のものです。
私が担当している障がい者雇用支援事業は、企業が抱える「障がい者雇用」の課題を解決するサービスです。法定雇用率で一定数の障がい者を雇用しなければなりませんが、多くの企業が「どんな仕事を任せればいいのか」「サポート体制をどう作ればいいのか」という悩みを抱えています。自社で障がい者を雇用しても、すぐに辞めてしまうケースも少なくありません。
そこで私たちが提供しているのが「ウェル工房」という障がい者雇用サテライトオフィスです。企業が障がい者を雇用する際の課題を、ワンストップで解決できる仕組みなんです。具体的には、企業に代わって適切な障がい者の方を紹介し、ウェル工房という場所で働く環境を提供します。ウェル工房で働く障がい者の方は、あくまでも企業に雇用された「その企業の社員」ですが、働く場所と日々のサポートを私たちが提供しています。
企業の人事担当の方に課題をヒアリングし、解決策としてウェル工房の利用を提案していくのが仕事の一つです。既存企業とは月次報告や納品、面談などで定期的に接点があるので、その中で課題を聞きながら増員の提案をしたり、一緒に障がい者雇用という人事課題を考えていくスタンスで関わっています。
もう一つの大きな仕事が、ウェル工房の運営です。実際にウェル工房で働く障がい者の方々の就業支援や作業のレクチャー、日々の体調管理やメンタルサポートを行っています。ここでは、地域の障がい者支援機関との連携が非常に重要で、支援機関とのネットワークがこの事業の要になっています。
この事業が始まる前は、クリエアナブキで派遣営業や香川県の受託事業など、さまざまな人材サービスの業務を担当していました。障がい者雇用支援という新しい事業の立ち上げに関わることになったとき、ゼロからのスタートで何をどうすればいいのかも分からない状態でした。
まず取り組んだのは、障がい者支援機関への飛び込み営業です。「こういう事業を始めます」と説明して回るのですが、当初は全く相手にされませんでした。正直、最初はもっと簡単に事業が大きくなると思っていたんです。でも実際にやってみると、想像以上に難しかった。企業開拓も、支援機関との連携も、障がい者の方へのサポートも、すべてが手探り状態でした。
ですが、この事業には大きな意味があると信じていました。障がい者の方が一般企業で働く選択肢を増やして、企業の課題も解決できる。誰も困らない、みんなが幸せになれる仕組みを作れるんじゃないか。その想いが、手探りの日々を支えてくれたんだと思います。

ウェル工房で働く障がい者の方々は、企業に雇用された社員です。だからこそ、私たちは「社員として働く」という意味を、しっかり伝えるようにしています。
例えば、前まで就労支援機関でトレーニングをしていた障がい者の方は、障がい特性に応じてストレスがかからないようにサポートされていた方が多いんです。それは大切なことですが、企業の社員として働くとなると、「コミュニケーションが苦手だから話さなくていい」というわけにはいかない。最低限のコミュニケーションや報告、挨拶は必要になってきます。
最初は挨拶もできなかった方が、ウェル工房で働くようになって、元気よく挨拶できるようになったり、自分から会話ができるようになったりする。そういう変化を目の当たりにすると、本当に嬉しいです。きっかけは「社員として認められたい」「やりがいを感じたい」という気持ちが芽生えてきたからだと思います。今まで目を背けていた部分に、自分から向き合えるようになってきた。それが成長なんだと感じています。
企業の方も、ウェル工房に面談や見学に来られることがあります。そこで障がい者の方が自分の仕事について説明できるようになっていると、企業の方も成長を実感してくださいます。「今日もこれをやってます」「ここが大変なんです」と、ちゃんと仕事の話ができる。健常者にとっては当たり前のことかもしれませんが、それができるようになったということは、本当に大きな成長なんです。
今後の目標は、ウェル工房の事業モデルを全国に広げていくことです。ただ、私たち自身がすべてのエリアで運営していくのは限界があります。そこで考えているのが、ウェル工房の事業モデルをパッケージ化して、フランチャイズのような形で展開していくことです。
具体的には、障がい者支援機関や他の派遣会社などに、ウェル工房の仕組みを導入していただく。そのためには、私たちが今やっている障がい者へのサポート方法を、ある程度マニュアル化していく必要があります。人によってどこを見るべきか、どうサポートすべきか、その判断基準や対応方法を誰でも再現できる形にできれば、四国だけでなく他のエリアにも展開できるはずです。
ウェル工房が広がれば、障がい者の方の雇用機会が増えます。今まで一般企業で働けなかった障がい者の方は、一ヶ月働いて3,000円程度の工賃で働いているケースも少なくありません。でもウェル工房なら、企業の社員として、きちんとした給与をもらって働くことができる。「自分はこういう働き方をする」という選択肢を増やすことができるんです。
企業側にとっても、障がい者雇用をもっと容易に考えてもらえる環境を作りたいと思っています。
例えば、最初はサテライトオフィスから就業を開始していただいて、障がい者の方も企業への帰属意識を持ち、企業側も雇用意識を持った状態で、その後社内で働いてもらう、という選択肢もありだと思うんです。「あれもこれもしなきゃいけない、うちでは無理だ」と思わずに、もっと気軽に障がい者雇用に取り組めるようにしたい。企業にとっての選択肢を増やし、雇用の形を広げていきたいですね。
