Excel でほかのブックのセルを参照している、PowerPoint のスライドに Excel ブックからコピーしたグラフがある、Word 文書に図がリンクで挿入されているなど、Office でドキュメントを作成する過程では、1 つのファイルの中ですべてが完結するのではなく、別のファイル、ときには異なるアプリケーションとも連携をしていきます。

ファイルを編集するときや、ファイルをコピーして利用するようなとき、ほかのファイルの情報を参照しているかどうかは非常に重要です。(だって・・・ 参照しているファイルがあるのなら、それもコピーしておかないと縁 (リンク) が切れてしまって思うように編集できないかもしれないから)

そんなときの確認方法についてご紹介します。

[ファイルへのリンクの編集]

Excel、Word、PowerPoint (代表的な Office 製品) では、[ファイル] タブをクリックすると、バックステージ ビューが表示され、[情報] というビューには、その名の通り、ファイルに関する情報が表示され、編集をするための入り口として利用できます。

ファイルになにがしかのリンクが含まれている場合だけ、バックステージ ビューの[情報]の[関連ドキュメント]という領域に[ファイルへのリンクの編集]が表示されます。


リンクが含まれていないファイルの場合は、[ファイルへのリンクの編集] は表示されません。

Word の例

リンクが含まれている Word 文書の例を確認します。 

  1. バックステージ ビューの [情報] の [関連ドキュメント] を確認し、[ファイルへのリンクの編集] をクリックします。


  2. [リンクの設定] ダイアログ ボックスが表示され、一覧にリンクされているファイルの名前や種類が表示されて、選択すると下部にファイルの保存場所などの詳細が表示されます。

    この Word ファイルをコピーして別の場所に保存して利用したりするときには、なんていう名前の Excel ブックを参照しているのか (いたのか) を確認して、必要に応じてそのファイルも一緒にコピーをしたり、参照するためのパスを変更したりしないと、あとから適切な編集ができないことがあります。

    たとえばこの文書には、Excel ブックのグラフをコピーして「データをリンク」という形式で貼り付けているため、グラフの元データを編集するには、元の Excel ブックが必要です。

    右側に表示されている [リンク元を開く] で Excel ブックを開いたり、参照すべきファイル (リンク元) を変更したりすることができます。

PowerPoint の例

リンクが含まれている PowerPoint プレゼンテーションの例を確認します。

  1. バックステージ ビューの [情報] の [関連ドキュメント] を確認し、[ファイルへのリンクの編集] をクリックします。


  2. [リンク] ダイアログ ボックスが表示され、一覧にリンクされているファイルの名前や種類が表示されて、選択すると下部にファイルの保存場所などの詳細が表示されます。

    Word の例と同じですが、このプレゼンテーションには、Excel ブックのグラフをコピーして「データをリンク」という形式で貼り付けているため、グラフの元データを編集するには、元の Excel ブックが必要です。
    右側に表示されている [リンク元を開く] で Excel ブックを開いたり、参照すべきファイル (リンク元) を変更したりすることができます。

Excel の例

リンクが含まれている Excel ブックの例を確認します。

  1. バックステージ ビューの [情報] の [関連ドキュメント] を確認し、[ファイルへのリンクの編集] をクリックします。


    または、リボンの [データ] タブの [クエリと接続] グループの [リンクの編集] をクリックします。


  2. [リンクの編集] ダイアログ ボックスが表示され、一覧にリンクされているファイルの名前や種類、リンク元のファイルが開かれているかどうかといった状態が表示されます。

    Excel の場合は、ほかの Excel ブックのセルの値を変更すると、こちらのブックにも反映されるように「リンク貼り付け」などを使うことが多くあります。

    そんな作り方になっているとは知らないユーザーが、リンク元のファイルの名前を変えてしまったり、保存場所を変更してしまったりすると、正しく参照できなくなり、エラーになったります。
     [状態の確認] を使って、ファイルが開かれているかどうかを確認したり、[リンク元を開く] を使って参照しているファイルを開いたりして、正しい参照ができているかを確認します。

    また、[起動時の確認] をクリックして、ブックを開いたときにリンクの更新に関するメッセージの表示をどうするか、自動更新をどうするか、を選択できます。

ファイルの状態をしっかり把握したうえで、効率よく作業ができるように、設定を変更するのもありです。


Word や PowerPoint の場合は Excel ブックのデータを資料に活かすために参照していることが多く、Excel の場合は、あちこち直すのが面倒なので、ほかのブックのセルを参照して数式に利用することもあります。

いずれにせよこれらはほかのファイルとのやり取りなので、きちんと管理して使用しなければなりません。(手軽に何も考えずにコピーしまくるだけではいいことはない、ということ)
自分だけがファイルの状態をわかっている、というのはよくないことですが、どうしても伝えきれずに複数のユーザーで利用することはあります。そんなときは、利用側が自分で確認するスキルを身に着けることも大切だと思います。

石田 かのこ