Excel の表をコピーして Word 文書に貼り付けるときのお話を何回かに分けてご紹介します。

今回は「Word 2013」を使っています。ほかのバージョンの場合、アイコンの形などが異なる可能性がありますが、基本的な考え方は同じです。

 

代表的な 6 種類の貼り付け形式

Word の文書に Excel の表 (セル範囲) をコピーして貼り付けるときに、ただ「貼り付け」を実行するのではなく、「どんなふうに扱いたいか」によって貼り付け形式を選択します。

代表的な 6 種類の貼り付け形式は、貼り付け時や貼り付け直後にアイコンで選択できます。このとき、Word の表として扱える (表を選択したときに [表ツール] が表示される) 表として貼り付けられる形式は下表の No.1 ~ 4 です。

ちなみに、普通に [Ctrl] + [V] などで貼り付けを実行した場合は、No.1 (元の書式を保持の形式) で貼り付けられます。 

データのメンテナンスは Excel で行い、その結果を Word 文書に表として表示したい場合は、No.3 または 4 の形式を利用します。

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リンクのない Excel の書式を維持した貼り付け

Excel のほうが表を作りやすいとか、元々 Excel に使いたい表のベースがある、などというとき、後の編集はWord で行うのであればリンクのない形式で貼り付けます。

このとき、Excel の書式を維持したいのであれば [元の書式を保持] を、Word で書式設定をするから書式は不要という場合は [貼り付け先のスタイルを使用] を選択します。
 

  1. Excel でコピーするセル範囲を選択してコピーを実行します。02.png
     
  2. Word のページで、表を貼り付ける位置にカーソルをおいて右クリックし、[元の書式を保持] をクリックします。

    ショートカット キー ([Ctrl] キー + [V] キー) で貼り付けを実行したり、リボンの [ホーム] タブの [貼り付け] ボタンをクリックしたりしても [元の書式を保持] を選択した場合と同じ結果となります。
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  3. 元の書式 (Excel で設定されている書式) が維持されて表が貼り付けられます。
     
  4. Word の [表ツール] を利用して表の編集ができ、セル内の文字列なども Word で編集して加工します。


ちなみに、Word のページで、表を貼り付ける位置にカーソルをおいて右クリックし、[貼り付け先のスタイルを使用] をクリックするとこんな感じ↓で Excel 側の書式が保持されません。
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データがリンクされた Excel の書式を保持した貼り付け

[リンク (元の書式を保持)] または [リンク (貼り付け先のスタイルを使用)] の形式で貼り付けを行うと、セル内の文字列の部分が Excel のセルとリンクします。

表内のデータの編集は Excel で行うことを前提とする場合に利用する形式です。
 

  1. Excel でコピーするセル範囲を選択してコピーを実行します。
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  2. Word のページで、表を貼り付ける位置にカーソルをおいて右クリックし、[リンク (元の書式を保持)] をクリックします。
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  3. 貼り付け先 (Word 文書) で表を作成した場合の書式が適用されて表が貼り付けられます。
    表を選択すると、リンクしているデータ部分がグレーで表示されます。
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  4. Word の [表ツール] を利用してスタイルや文字の配置を整えられます。

 

データがリンクしている表の編集

Word 文書を開いているときに、Excel にリンクしている表のデータを編集したいな、と思ったら、リンクしている Excel のブックを開いて編集します。

普通に、保存されている Excel のブックを開いてもよいですが、データがリンクしてる表の中を右クリックすると、ショートカット メニューに [リンクされた ワークシート オブジェクト] というコマンドが表示され、[編集] や [開く] を使ってリンクしている Excel のブックを開くこともできます。
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  1. Excel が起動し、表のデータが含まれるワークシートが表示されたら、ワークシート (セル) を編集し、上書き保存を実行してブックを閉じます。
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  2. Word の表を右クリックし、[リンク先の更新] をクリックします。
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  3. Word の表内のリンクされているデータが更新されます。
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おまけ

ちなみに、上記の手順でデータがリンクされた表の貼り付けを行うと、このリンクは「自動更新」が適用されるため、文書を開いたときにこんなメッセージが表示されます。

このメッセージ で [はい] をクリックすると、コピー元 (Excel ブック) の最新のデータによって、表のデータが更新されますが、明らかにリンク元への参照ができない環境の場合は、[いいえ] をクリックして文書を開き、あとから更新することをおすすめします。

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また、Word 文書内になにがしかのリンクが含まれているとき、[ファイル] タブをクリックして、[情報] を選択すると、バックステージ ビューの右下に [ファイルへのリンクの編集] というリンクが表示され、これをクリックすると [リンクの設定] ダイアログ ボックスが表示されます。 13.png

 


[リンクの設定] ダイアログ ボックスでは、文書内のリンクに関する情報を確認したり、更新の設定を変更したりできます。

[リンク (元の書式を保持)] や [リンク (貼り付け先のスタイルを使用)]、[Microsoft Excel ワークシート オブジェクト] (その2 で書く予定) のリンク貼り付け形式で表の貼り付けを行うと、既定で自動更新が設定されますが、これを手動更新に変更したり、リンクを解除して画像に変換したりできます。

また、文書内に表は表示されていないのにリンク情報だけがゴミのように残ってしまっているような場合もこのダイアログ ボックスでリンクを解除できます。
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ほかのユーザーが作った文書の表は、リンクになっているのかなどがわかりにくいと思います。

表の中を右クリックしたときに、「リンクの更新」や「リンクされたワークシート オブジェクト」などのコマンドが表示されるのであれば、それはリンクを伴った貼り付けを行ったと考えられます。

Word の文書の中に Excel を埋め込むのではなくて、あくまでも Word の表として扱えるようにし、データ部分だけを Excel とリンクさせたいような場合は今回の方法が使えます。

ただし、リンク系の貼り付けを使う場合は、Word 文書とリンクしてる Excel ブックとの関係性 (保存場所やファイル名など) の維持を心がけてください。Excel のファイル名が変わってしまうと、リンク先の変更 (修正) を行わないといけなくなりますよ。

その2 では、Excel ブックを Word 文書の中に埋め込んだりする場合のお話を書きます。
 

石田 かのこ