LEFT 関数でセルの先頭から指定した数の文字を取り出すことについては、こちら でご紹介しました。

今回はセルの末尾 (右) から指定した数の文字を取り出す RIGHT 関数をご紹介します。

また、前回の LEN 関数 と組み合わせた方法もご紹介しますね。

step102-EX14.jpg

氏名のセルに入力されている文字列から名を抜き出します。
操作に慣れていない方は、日本語入力をオフにして操作してください。

数式は、「=RIGHT(取り出す文字が含まれている文字列,末尾からの文字数)」とします。
ここでは、取り出す文字が含まれて文字列はセル A2、末尾からの文字数は「3」とします。

 

1.結果を表示したいセルを選択し、「=RIGHT(」と入力します。
関数名は小文字でもよいです。
102-EX14.jpg

 

2.探す場所となるセル (A2) をクリックします。
202-EX14.jpg

 

3.「,3)」を入力して、[Enter] キーを押します
302-EX14.jpg

 

4.セル A2 の末尾から 3 文字が表示されます。
 
402-EX14.jpg

 

step202-EX14.jpg

Step 1 の手順で数式を作成すると、他のセルに数式をコピーしたときに、適切な結果が得られないことがあります。名として入力されているデータは 3 文字とは限らないからです。そうなると、数式内の文字数指定をすべて修正しなければなりません。これは手間ですよね。

抜き出したい名の文字が何文字なのかを数式で求めることができればこの問題は解決します。
フルネームの文字数から、姓の文字数+スペース分の文字数を引けば、残りは名の文字数です。たとえば、「石田 かのこ」の場合、フルネームの文字数は「6」、姓の文字数+スペースの文字数は「3」ですから、名は「6-3」で「3」です。
フルネームの文字数は LEN 関数で求められますし、姓の文字数+スペース分の文字数は、FIND 関数でスペースの位置を求めるのと同じことです。

LEN 関数で求めた文字数と、FIND 関数で見つけ出したスペースの位置を使用して、RIGHT 関数と組み合わせた数式に編集してみましょう。
FIND 関数についてはこちら を、LEN 関数についてはこちら ご覧ください。

ここでは、取り出す文字が含まれて文字列はセル A2、末尾からの文字数はセル C2からセル B2 の値をマイナスした値とします。セル C2 にはセル A2 の文字数が、セル B2 にはセル A2 のスペースの位置が表示されています。 

 

1. 数式を編集するセルをダブル クリックするか、[F2] キーを押して編集状態にし、
「=RIGHT(A2,C2-B2)」となるように修正し、[Enter] キーを押します。
 502-EX14.jpg
 

2.セル A2 の末尾から、3 文字 (セル C2 からセル B2 をマイナスした値分の文字数) が表示されます。
602-EX14.jpg

3.数式をコピーすると、それぞれのフルネームのスペースの右側の文字列が表示されます。
結果的としてそれぞれの名が抜き出せた、ということになります。
702-EX14.jpg

 

おまけ
今回はすでに求められている氏名の文字数やスペースの位置などの情報をもとに数式を作成しましたが、1 つの数式の中で複数の関数を使用することもできます。
たとえば、今回のケースでいえば、「=RIGHT(A2,LEN(A2)-FIND(" ",A2))」という数式を作成しても得られる結果は同じです。このように関数の中に関数を入れ込むことを「ネスト」といいます。

 

補足
RIGHT 関数は、対象となる文字列の末尾から指定された数の文字を返す関数です。対象となる文字列は、半角も全角も 1 文字と判断されます。句読点やスペースも 1 文字と判断されます。

数式は、下記のように引数を指定します。

RIGHT(文字列,末尾からの文字数)

文字列 には、取り出す文字が含まれている文字列またはその文字列が入力されているセル番地を指定します。文字列を指定する場合はダブル クォーテーションで括ります。
“神奈川県” や “港区” というように文字列を指定したり、A1 や D4 のようにセル番地を指定したりします。

末尾からの文字数 には、取り出したい文字数を指定します。数値で指定するだけでなく、A1 や D4 のようにセル番地を指定することもできます。



今回のような「氏名を分割したい」などの目的があったとき、クリアするために複数の方法が考えられることがあります。データの量やデータの形式、その作業が 1 度きりなのか、定期的に繰り返される処理なのか、自分にとって作業しやすいか、他の人が後から見た時に分かりにくくないか、などいろいろな材料をもとに手段を選ぶはずです。個人的には、絶対に○○でなければいけない、ということではないと思っていますが、複数の方法や可能性を知らなければ選ぶことができませんから、いろんな方法を引き出しに入れておいて必要な時に取り出せるよう、準備はしておきたいなと思っています。

石田 かのこ