作りたいシート名を一覧に用意しておいてすばやく複数のシートを作りたい、でも VBA は苦手 という方に向けて。

ポイントだけ読みたい方は、「[レポート フィルター ページの表示] をシート作成のために使う」のあたりからどうぞ。

 

ピボットテーブルの [行] エリアや [列] エリアにフィルター機能があって、アイテム (項目) を条件として選択して集計結果をフィルターできます。



[列] エリアや [行] エリアに配置されているフィールド以外の項目でフィルター (スライス) を行うときに [フィルター] エリアにフィールドを用意します。たとえばここでは、行ラベルや列ラベルとして使われていない [地域] フィールドを [フィルター] エリアに作成しています。



[レポート フィルター ページの表示] の動き

「このシートではエリアA」の集計結果を確認したいけど、こっちのシートではエリアBを見たい」というときには、ピボットテーブルの作成後に自分でワークシートをコピーして [フィルター] エリアの条件を指定します。

しかし、ピボットテーブルのある機能を使うと、[フィルター] エリアのアイテムごとにワークシートが用意され、条件も絞り込まれた状態のピボットテーブルが用意されます。ようは、シート名がフィルター条件になっているピボットテーブルが作られる、ということ。

  1. ピボットテーブル内にアクティブ セルをおいて、リボンの [ピボットテーブル分析] タブの [ピボットテーブル] グループの [オプション] の ▼ をクリックして、[レポート フィルター ページの表示] をクリックします。



  1. [フィルター] エリアに 1 つしかフィールドがない場合は、下図のダイアログ ボックスでそのまま [OK] をクリックします。複数のフィールドがある場合はシート名と条件を指定したいフィールドを選択してから [OK] をクリックしてください。



  1. シートが複製されて、[フィルター] エリアにそれぞれのアイテムが条件として指定されます。



[レポート フィルター ページの表示] をシート作成のために使う

Excel には、一覧の項目をもとに複数のワークシートをばーっと自動で作成するような標準機能はありません。もちろん VBA でコードをかけばできます。

VBA はちょっとハードルが高いな、でも作らないといけないシートがたくさんあるな、というときには、ピボットテーブルをワークシートを作成するために使う、というのも手かもしれません。

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本来の目的とは違うのでスマートではないし、これであっという間に複数シートができます!っていう言い方はしたくないけど、上手に付き合うのならありかな、という感じです。

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  1. シート名としたい項目だけをテーブルにまとめて、このテーブルをデータソースとしてピボットテーブルを作ります。あとで消してしまうピボットテーブルなので作成場所は新規ワークシートでも既存のワークシートでもよいです。




  2. ピボットテーブルの [フィルター] エリアにフィールドを作成します。




  3. ピボットテーブル内にアクティブ セルをおいて、リボンの [ピボットテーブル分析] タブの [ピボットテーブル] グループの [オプション] の ▼ をクリックして、[レポート フィルター ページの表示] をクリックします。




  4. [レポート フィルター ページの表示] ダイアログ ボックスでフィールドを選択して [OK] をクリックします。




  5. シートが複製されて、[フィルター] エリアにそれぞれのアイテムが条件として指定されます。




  6. [レポート フィルター ページの表示] によって作成されたワークシートをすべて選択してグループ化します。




  7. 不要なピボットテーブル (と、それが含まれる列) を削除するため、ピボットテーブルを含む列を選択して、リボンの [ホーム] タブの [編集] グループの [クリア] - [すべてクリア] を実行します。




  8. ピボットテーブルがクリアされ、列を選択して右クリックしたときに [削除] が実行できるようになります。




  9. [レポート フィルター ページの表示] を使うために作った最初のピボットテーブルを含むワークシートを削除します。(おそらくないと思うけれど、余計なワークシートのグループ化は解除しておきましょうね。)




  10. (結果的に) 一覧に用意した名前を設定した複数のワークシートが作成されます。





 

途中でも書きましたが、複数シートをあっという間に作る機能です!っていうのは違う気がして。そんなわたしのこだわりなんてどうでもよいのかもしれませんが、キャッチ―なだけっていうのはどうも好きではないです。

しかし、そもそもこの機能を知らないという方もいらっしゃって、ピボットテーブルのために使いたい!ということもあると思うのでご紹介しました。

石田 かのこ