ピボットテーブルの [列] エリアや [行] エリアに配置されているフィールド以外の項目でフィルターを行えるようにするには [フィルター] エリアにフィールドを配置します。

たとえば、図のピボットテーブル (アンケートの集計結果) では、[列] エリアには評価項目が、[行] エリアには質問種別が配置されていますが、これらを [担当者] でフィルターして評価を確認したい、というときに、[フィルター] エリアに [担当者] フィールドを用意します。

しかし、この [フィルター] エリアのフィールドは、ピボットテーブルごとに機能するので、たとえ同じデータ ソース (データ キャッシュ) を元に 2 つのピボットテーブルを作成していたとしても、一方で行ったフィルターが他方には影響しません (条件の異なるピボットテーブルを作ることができるのでこれはこれでよいことです)。

A のピボットテーブルと B のピボットテーブルで異なるフィルター条件が設定されている (できている) ことがわかります。

しかし、ケースによってはピボットテーブルごとにフィルター条件を設定しなければならない (めんどくさい) とも言えます。

今回の例では、データ ソースに接客に関するアンケートの質問が 2 つ (話し方、質問対応) あって、質問ごとにピボットテーブルが作成されており、担当者ごとにその評価を確認したいので、1 回のフィルターで 2 つのピボットテーブルをフィルターしたいです。

このように同じデータ ソースのピボットテーブル (正確にはデータ キャッシュを共有している複数のピボットテーブル) をまとめてフィルターしたいときには、スライサーのほうがよいでしょう。

スライサーの作成と接続

最終的に 2 つ以上のピボットテーブルを制御できるスライサーを作成するとしても、まずはいずれかのピボットテーブルを選択してスライサーを準備します。

  1. いずれかのピボットテーブルを選択して、リボンの [ピボットテーブル分析] タブの [フィルター] グループの [スライサーの挿入] をクリックします。


  2. [スライサーの挿入] ダイアログ ボックスでフィルター条件としたいフィールドのチェックをオンにして、[OK] をクリックします。


  3. スライサーが作成されます。
    スライサーを選択しているとき、スライサーの上下左右四隅にサイズ変更ハンドルが表示され、リボンに [スライサー] タブが表示されます。

    左上のフィールド名のところにマウス ポインターを合わせてドラッグすると移動でき、図形を操作するように上下四隅のハンドルを使用してサイズを変更することもできます。

  4. スライサー内のアイテム (ボタン) を横に並べるには、リボンの [スライサー] タブの [ボタン] グループの [列数] で 2 以上の値 (横にいくつ並べるか) を指定します。


  5. スライサーを準備したので、フィルターはピボットテーブルから除外しておきます (任意)。


  6. スライサーでフィルターの条件としたいアイテムをクリックするとフィルターが実行されます。まだこの段階では 1 つのピボットテーブルにのみ、フィルターが適用されています。

    複数のアイテムを条件とするには、2 つ目以降のアイテムを [Ctrl] キーを押しながらクリックします。


  7. フィルターを解除するには、スライサーの [フィルターのクリア] をクリックします。


  8. スライサーに現在接続されていないピボットテーブルを接続して、2 つのピボットテーブルで同時にフィルターを実行できるようにするには、スライサーを選択して、リボンの [スライサー] タブの [スライサー] グループの [レポートの接続] をクリックします。


  9. [レポート接続] ダイアログ ボックスが表示され、スライサーに接続することのできるピボットテーブルの名前が表示され、すでに接続されているピボットテーブルの名前のチェック ボックスがオンになっています。

    スライサーに接続するピボットテーブルのチェック ボックスをオンにして [OK] をクリックします。


  10. スライサーでフィルターを実行すると、接続しているすべてのピボットテーブルでフィルターが適用されます。

ピボットテーブルでスライス分析を行うときに利用する機能には、「フィルター」以外に「スライサー」があることを知っておきましょう。

スライサーには、データ キャッシュを共有している複数のピボットテーブルを関連付けられるため、1 回のフィルターで複数のピボットテーブルに対するスライス分析を実行できます。

単一のピボットテーブルであったとしても、一覧されている項目からボタンをクリックする感覚でフィルターを実行できるので使いやすさがアップすると思います。

石田 かのこ