Wordの文書には、「行」と「段落」という単位が存在します。普段、何気なくWordを
使っていても、「このをコピーしよう」とか、「この段落はすべて太字にしよう」なんていうふうには
意識せずに操作していると思います。ただ「ここをこうしたい」と考えていますね。
「行」と「段落」という単位をきちんと理解しているだけで、「思ったようにならない!」が減り、
Wordはぐんと使いやすくなります。
今回は Word の基本ともいえる「行」と「段落」についてもう一度確認していただこうと思います。
画面上での表示がわかりやすいように、操作を行う前に [ホーム] タブの [編集記号の表示/非表示] がオンになっていることを確認しておいてください。

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行って?段落って?を、まずは確認してみましょう。
 

■行
「行」とは、句点までとは限らず、文書の左端から右端までの横方向の文字列などを表示する場所を
指します。

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Wordでは行に入力する文字列が1 行で収まりきらないとき、そのまま文字列の入力を行うと、
自動的に折り返されて次の行(2 行目)に文字列が入力されます。
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■段落
「段落」とは、段落記号(改行マーク)の後ろから、次の段落記号(改行マーク)までのまとまりを
指します。
Wordではこの「段落」を意識しながら文書を作成することがとても重要です。
たとえば、「■」や「●」などの行頭文字や「1.」「2.」などの段落番号は、
選択した段落の先頭に記号をつける機能で、行に設定する機能ではありません。
Wordの書式設定は、「行」よりも「段落」に対して行う方が多いように思います。
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文章に区切りをつけて次の行から文字列を入力したいとき、文字列の一番後ろに表示される段落記号
(改行マーク)の後ろにカーソルを置き、[Enter] キーを押します。
そうすると、カーソルは強制的に次の行へ移動します。
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これは、「改行した」のではなく、「文書内に新しい段落を作成した」という操作と言えます。
(下図、分かりやすくするために、文書内の段落を「赤」と「青」で塗りつぶしています。)
赤の段落を見るとわかるように、1 つの段落内には1行だけとは限らず、複数の行が含まれることが
あります。
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Wordでは、書式などの設定を行う前に必ずその対象を選択します。
まずは、行単位で対象を選択する方法を確認しましょう。


1.選択する行の左側の余白部分にマウス ポインタを合わせ、カーソルが斜め右上を向いた矢印の
形に変わったらクリックします。
クリックした位置の右側の行が選択されます。
複数の行を選択する場合は、そのまま下方向へドラッグします。

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段落を選択する方法はいくつかあります。その段落に「何を設定したい」のか、によって、
段落の選択方法を選んだらよいと思います。
 

■ドラッグ アンド ドロップで選択する
マウスで段落記号 (改行マーク) までをドラッグすると、段落が選択されます。
段落内に 1 行しかないのであれば、余白部分をクリックして行を選択しても
段落記号 (改行マーク) までが選択されるので、結果的には同じように選択していることになります。
 

1.選択する文字列の左端にカーソルを合わせ、マウスで左クリックをしながら
段落記号(改行マーク)までをドラッグ アンド ドロップで範囲選択します。

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■クリックで選択する
段落全体の配置や箇条書きなどの書式の場合は、段落内をクリックしてカーソルを置くだけでも
段落を選択しているとみなされ書式設定を行えます。
 

1.書式を設定する段落内をクリックしてカーソルを表示します。
カーソルの置かれている段落が書式設定の対象となります。
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2 .[ホーム] タブの [中央揃え] をクリックします。
選択した段落の文字列が中央に配置されます。

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■トリプル クリックで選択する
段落内ですばやく 3 回クリックをしても、段落を選択できます。
どこまでが 1 つの段落なのかを確認しつつ、書式設定をしたい場合などに便利な操作方法です。
 

1.選択する段落内の任意の位置にカーソルを合わせ、すばやく 3 回クリックします。
トリプル クリックした段落が選択されます。
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2.[ホーム] タブの [フォントの色] をクリックします。
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3.選択した段落のすべての文字列に書式が設定されます。
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前のステップでも少し触れましたが、行末や文末で [Enter] キーを押すと新しい段落が作成されます。
「段落内で改行をしたいのに [Enter] キーを押すと書式が自動的に引き継がれて困る」と
思われている方は多いのではないでしょうか。


「こうしたくないのになんでこうなっちゃうの?」と思ったことありませんか?
たとえば、段落番号が設定されている段落で「1.の項目の説明をもう一行増やそう」と、行末で
[Enter] キーを押すと、勝手に新しい番号が挿入され、「違う違う、こうじゃない」と思ったことが
あるのではないでしょうか。

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文章の入力中に、[Enter] キーを使って改行することは、正確には「行を変える」のではなく
「段落を変える」ことを意味しています。
Word の既定では、選択している段落の書式が次の段落にも自動的に適用されます。
そのため、[Enter] キーを押した段落に設定されている書式を引き継いでしまうのです。
段落を変えずに行だけ変えたいとき(改行したいとき)は、[Shift] + [Enter] で操作します。
 

1.改行をしたい行末にカーソルを置き、[Shift] キーを押しながら [Enter] キーを押します。
ここでは、「1.」の段落の末尾で改行をします。
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2.段落内で改行され、カーソルが次の行に移動します。段落内での改行のため、新たな段落番号は表示されません。
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3.1 つの段落内に 2 行の文字列が表示されます。

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<まとめ>
文書は、ただの文字の集まりではなく、文字、行、段落、セクション、ページなどで
構成されており、それぞれに対するさまざまな設定で成り立っているのです。
Word で思い通りにスムーズに文書作成をしようと思うのならば、どこをどう選択したら、
どうなるのか?ということを知っておきたいですね。

石田 かのこ