"COUNT" で始まる関数は複数あり、いずれも該当のセルがいくつあるのかを返す関数です。
セルには、数値 (日付も含む) や文字列が格納されているセルもあれば、空白セルもあります。
「数値が入っているセル」の個数が知りたいのか、「空白ではない (なにがしかの値が入っている) セル」の個数が知りたいのか、または逆に「空白のセル」を数えたいのかで、COUNT、COUNTA、COUNTBLANK を使い分けます。

COUNT 関数
    セルやセル範囲に含まれる数値が格納されているセルの個数を返します。

COUNTA 関数
   セルやセル範囲に含まれる空白ではないセルの個数を返します。

COUNTBLANK 関数
      1 つのセル範囲に含まれる空白セルの個数を返します。


●COUNT 関数
COUNT 関数は “数値” という値の種類を特定しているため、Excel が文字列や論理値、エラー値と認識したセルは個数に含まれません。もちろん調べる範囲は 1 つでもよいのですが、複数の範囲を指定できる、というのも特徴です。

ヘルプの構文 : =COUNT(数値1 , [数値2] , …)

例 : =COUNT(A2:A13 , C2:C13 , E2:E13)
セル A2 から A13 と、C1 から C13 と、E2 から E13 の 3 つの範囲の、数値が格納されているセルの個数を返す数式。

セル C1 から C12 には文字列と空白セルしかないので、含まれていない。
セル A2 から A13 と E2 から E13 には数値と日付、2 つの空白セルがある。


●COUNTA 関数
COUNTA 関数は “空白ではない” ということで、値の種類は関係なく、文字だろうと数値だろうと日付だろうと、なにがしかの値が格納されていれば 1 とカウントします。こちらも複数の範囲も指定できます。

ヘルプの構文 : =COUNTA(値1, [値2] ,…)

例 : =COUNTA(A2:A13 , C2:C13 , E2:E13)
セル A2 から A13 と、C1 から C13 と、E2 から E13 の 3 つの範囲の、空白ではないセルの個数を返す数式。

すべての範囲に 1 つずつ空白セルがある。


●COUNTBLANK 関数
COUNTBLANK 関数は、COUNTA 関数の逆ともいえる “空白のセル” をカウントします。
ただし、COUNTBLANK は複数のセル範囲を同時に指定できません
複数の範囲を対象にして数えたいのなら、1 つの範囲での結果を加算していくなどの対応をします。

ヘルプの構文 : =COUNTBLANK(範囲)

例 : =COUNTBLANK(A2:A13) + COUNTBLANK(C2:C13) + COUNTBLANK(E2:E13)
セル A2 から A13 と、C1 から C13 と、E2 から E13 の 3 つの範囲の、空白セルの個数を返す数式。

すべての範囲に 1 つずつ空白セルがある。

どちらを使うのかは、どうやって管理したいか次第

下図の表はアンケートへの協力を依頼した人の一覧で、回答があったらその日付を入力する運用にしている表です。

[No] 列には、(計算はしないけど) 数値で番号が格納されています。そのため、全件数を知りたいときには COUNT でも COUNTA でも対応できます。[回答] 列でチェックしたいのなら、格納されている値が文字列であるため COUNTA 関数を使用します。

どちらでやるべきですか?と聞かれることがありますが、それは運用とどのようなルールで表が形成されているか次第です。
シンプルに、確実な結果を得られるほうの列でやるべき、です。
たとえば、[No] が多めに入力されている表なら、[No] 列を対象にしたら、(回答者はもっと少ないかもしれないから) “今回の” 件数は正しく求められません。たとえば回答者が入っているところしか、No がない、というのならどちらでやってもよいですが、これは作成者と運用している人のルールによります。



アンケートが返ってきたら、回答日付を入力する というルールであるため、[回答日付] 列を使って、回答済みの件数や未回答の件数を求めることができます。ただし、日付 (シリアル値) だけであれば COUNT 関数でも対応できますが、「確認中」などの文字列が含まれることがあり、これも件数に含めたいのなら COUNTA 関数を使用しなければなりません。(”確認中”は含めたくないなら、あえて COUNT でやる。)

セルの値の種類を意識しつつ、どのような管理をしている表なのか、どういうルールで運用したいのかによって適切な数式を使えないといけない、正解は 1 つではない、ということです。


基本的な関数ですが、セルの値を意識して利用する、という意味で学習に適切な関数なので書いてみました。  

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