例えば下図のように、「今月の支払い金額:」という文字列とセル B4 の値を「&」で結合した数式を作るとします。

このとき、元のセルには [通貨表示形式] が設定されているため、「¥」と三桁区切りのカンマが表示されているのに対し、結合後の結果には「5250」という数値だけが表示されています。
結合後の結果にも「¥」と三桁区切りのカンマが表示されるようにしたいときは、TEXT 関数を使って表示形式を設定します。



Excel の関数の説明によると TEXT 関数は、
「数値に指定した書式を設定し、文字列に変換した結果を返します。」とのことです。
「文字列に変換した結果を返す???」というところがよくわからなかったら、
まずは 「数値に指定した書式を設定」する関数というように解釈すればよいです。

私たちは Excel でドキュメントを作成するとき、セルや文字列にいろんな書式を設定します。
たとえば、「1000」という数値が入っているセルに [通貨表示形式] という書式を設定すれば「¥1,000」と表示されるし、「2013/5/1」という日付は、「2013年5月1日」や「5月1日」などの表示にすることもできますね。
この書式の設定を関数で行うということです。

「=TEXT(値, 表示形式)」という数式を作成します。

「値」には、表示形式を設定したい値、もしくはその値が入力されているセルなどを指定します。
「表示形式」には、どのような見た目にしたいのかの表示形式をダブル クォーテーションで括ってルールに沿って指定します。


今回の例の場合は、セル B4 の数値を ¥5,250 と表示したいので、
「値」は「セル B4」、「表示形式」は「¥#,##0」です。



じゃぁ、表示形式のルールって???というところは、ヘルプで調べていただくべきですが、一部は、[セルの書式設定] ダイアログ ボックスの [表示形式] タブの情報をヒントとして、設定できるかもしれません。

たとえば、[通貨表示形式] が設定されているセル B4 の表示形式を確認すると、
下図のように「¥#,##0;[赤]¥-#,##0」という表示形式が設定されていることがわかります。
正の値なら「¥#,##0」が、負の値なら「[赤]¥-#,##0」という表示形式が適用されるということですね。
この「¥#,##0」の表示形式を TEXT 関数を使った数式の中で、表示形式として指定すればよいです。



文字列&日付も同じことです。

たとえば、「今月分の支払い日:」という文字列とセル B7 の日付を結合すると、下図のように表示されます。

「41394」ってなんでしょう? これは「2013/4/30」を表すシリアル値ですね。
(シリアル値については、こちらとかこちらで少しだけ触れていますのでどうぞ。)

これも数値ですから、見た目 (表示形式) を設定したいのなら TEXT 関数で表示形式を指定します。



今回の例の場合は、セル B7 の数値を 2013/4/30 と表示したいので、
「値」は「セル B7」、「表示形式」は「yyyy/mm/d」です。



おまけ

日付の入力されているセル (今回の場合はセル B7) を選択して、[セルの書式設定] ダイアログボックスの [表示形式] タブを表示し、[分類] で [標準] を選択してみてください。

「サンプル」の表示のところにシリアル値が表示されています。すなわち、何も表示形式を設定していない裸の?状態なら「2013/4/30」は「41394」という値だということです。



[分類] で [日付] を選択すると、このセルに設定する「日付」の表示形式を選べることがわかります。

たとえば、「2013/4/30」と表示されているセルなら、[種類] で [2001/3/14] が選択されているでしょうし、ここで他の種類に変更することもできます。



「これにしたい」という日付の表示形式を選んだあとで、[ユーザー定義] を確認すると、表示形式の実態 (ルール) を確認できます。
今回の場合は、「yyyy/m/d」ですね。この表示形式を TEXT 関数を使用した数式の表示形式として指定すればよいのです。





今回のように任意の文字列とセルの値をつなげて表示するとき、一番よく見かけるのが、左側のセルに「今月の支払い金額:」と入力し、右隣のセルに「¥5,250」を入力する、という、セルを 2 つに分けるやり方です。
しかし、ドキュメントのレイアウトによっては 2 つのセルに分けることが許容されないこともあるでしょうし、できれば分けたくないということもあるはずです。

「&」でつなぐところまではできたけれど思うような見た目にならない、、、というのはよくあるパターン。
TEXT 関数を使っていただければ解決するかもしれません。


石田かのこ