組織, 障がい者雇用

2026年7月1日から、民間企業に義務付けられている障がい者の法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、企業にはより一層の対応が求められています。
こうした中、厚生労働省では、今後の制度見直しに向けて、障がい者を何人雇用しているかという「量」だけでなく、本人が能力を発揮できる仕事や、働き続けられる環境があるかといった「質」も重視する方向で審議が進められています。
そこで今回は、企業が障がい者雇用を見直す上で重視すべき雇用の「質」について考えてみたいと思います。
そもそも、障がい者雇用における雇用の「質」とは、どのようなものでしょうか。
簡単に言えば、法定雇用率を達成するために雇用するのではなく、本人の能力や希望に合った仕事を任せ、適切に評価・処遇し、キャリアを形成しながら長く働ける雇用を実現することです。厚生労働省で議論されている雇用の「質」に関する主なポイントは、次の5つです。
それぞれ、見直したい考え方を「△」、雇用の質を高めるポイントを「◎」で示します。
今後は、こうした雇用の「質」を障がい者雇用の重要な指標として捉え、国が実践のためのガイドラインを策定したり、企業の取り組みを評価・認定する制度を設けたりすることも考えられます。

現在の障がい者雇用の取り組みについて、単に雇用人数を確保するだけでなく、「雇用の質」も踏まえた取り組みになっているか、以下の項目でチェックしてみましょう。
いかがでしょうか。
チェックがつかなかった項目は、障がい者の雇用の「質」を高めるための改善ポイントです。自社の状況に合わせて、次項の対応策を参考にしてください。
雇用人数の確保を優先するあまり、「障がい者の仕事=誰にでもできる簡単な仕事」と考え、社内の単純作業や補助業務を集めていないでしょうか。
担当業務を決める際には、まず面談で本人の希望や得意なことを確認し、社内業務の実習などを通じて適性を把握した上で、能力を発揮できる業務を検討してみましょう。
本人の仕事ぶりを出勤状況のみで管理・評価していませんか。
担当業務の内容や成果だけでなく、仕事への取り組み方や周囲とのかかわり方も確認し、評価に反映しましょう。定期的な面談では、できていることや今後の課題を本人と共有し、次の目標を一緒に考えることが、成長や能力発揮につながります。
本人が就業する職場環境は、特性を考慮したものになっていますか。
障がい名だけで判断せず、本人の話や仕事の様子をもとに、必要な配慮を確認しましょう。指示の出し方や休憩、相談先などを調整した後も、面談で働きやすさを確かめ、必要に応じて見直します。

セルフチェックによって課題が見えても、「何から手をつければよいか分からない」「日々の業務と並行して対応するのは難しい」と感じることもあると思います。特に、障がい者雇用の担当者がほかの業務を兼任している場合、仕事内容の検討や職場環境の調整、本人への関わり方まで一人で考え、対応することは大きな負担になります。
そのようなときは、社内だけですべてを解決しようとせず、ジョブコーチや支援機関など、外部の支援を活用することも一つの方法です。
クリエアナブキでは、障がい者雇用サテライトオフィス「ウェル工房」の運営を通じて築いてきた地域の障がい者福祉とのネットワークと、これまで培ってきた障がい者雇用のノウハウを活かし、企業ごとに異なる課題の解決をサポートしています。
障がい者雇用について困っていることや、どのように取り組めばよいか分からないことがあれば、お気軽にご相談ください。
障がい者雇用を単に人数をそろえるのではなく、能力や強みを活かして企業の戦力として活躍してもらうことを考えることにより、多様な視点が業務改善や新たな発見につながり、社内のイノベーションを生み出していく可能性もあります。
「雇用する」から「活躍してもらう」へ。本人の成長と企業の成長をともに実現する障がい者雇用を目指し、まずは自社の取り組みを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
営業時間:平日9:00~18:00
事業推進部 障がい者雇用支援グループ チームリーダー
クリエアナブキに入社後、行政での就職・採用支援や総合人材サービスの営業を経て、障がい者雇用支援事業を担当。 障がい者雇用サテライトオフィス「ウェル工房」を新規に立ち上げ、現在は事業の拡大と運営業務に従事している。