公開日 2026/08/25
更新日 2026/08/25

バックオフィスの人手不足、どう解決する?業務改善と「職場のかたち」の見直し方

BPO, DX, 組織

目次

「人が足りない」「忙しくて本来の業務に手が回らない」。
バックオフィスの人手不足を感じたとき、まず「人を増やそう」「採用しよう」と考える企業は多いのではないでしょうか。
もちろん、採用が必要なケースもあります。ただ、地方BPOに関わり続けて感じるのは、人手不足を採用だけで解決しようとしても、うまくいかないことがあるということです。

取引先とお話しする際も、「どの業務を切り出すか」「手順やマニュアルをどう整えるか」といった業務そのものの話が中心になることが少なくありません。

その中で見落とされやすいのが、問い合わせ対応や確認など、業務一覧には表れにくい「名もなき業務」です。こうした業務が名もなきまま残っている背景には、慣習化や属人化がある可能性があります。

こうした業務を見える化し、改めて見直すことで、業務改善の余地が見えてきます。
そして、見直すべきなのは業務そのものだけではありません。誰がその業務を担うのか、どうすれば安定して回せるのかという体制まで含めて考えることが、バックオフィスの人手不足を考える第一歩です。

 

バックオフィスを圧迫する「名もなき業務」

例えば、年末調整の時期。
問い合わせが1日に何度も来る、確認のための電話が頻発する、書類の不備を1件ずつ差し戻す。
一つひとつは必要な仕事ですが、こうした問い合わせ・差し戻しなどの「名もなき業務」が積み重なることで、担当者が本来取り組むべき業務に使える時間は少なくなっていきます。

株式会社SmartHRの調査では、繁忙期に労務担当者の70%が1日に3回以上、問い合わせなどによる業務中断を経験するとされています。
問い合わせ、確認、不備対応、社内調整など、業務一覧には表れにくい仕事がどれだけ発生しているのか。
まずは、こうした見えにくい業務を把握することが重要です。

 

業務を見える化し、「なくす・減らす・仕組み化する」

まずは1か月程度、予定していた業務だけでなく、途中で発生した問い合わせや確認作業なども記録しましょう。「どんな業務が」「何回発生し」「誰が対応しているか」を書き出すだけでも、繰り返し発生している業務や、特定の人に偏っている業務が見えてきます。

業務を見える化したら、現在の体制で改善できることがないかを確認します。

一つめは「なくす」こと。

慣習的に続いている確認や報告、重複している作業など、本当に必要かを見直します。

二つめは「減らす」こと。

同じ問い合わせが繰り返されているのであればFAQやマニュアルを整備する、書類の不備が多いのであれば申請方法や案内の仕方を見直すなど、業務そのものをなくせなくても発生回数を減らせる場合があります。

三つめは「仕組み化する」こと。

特定の担当者しか対応できない業務は、手順や判断基準を整理し、引き継げる状態にします。
マニュアルや業務フローの作成まで手が回らない場合は、外部に任せる方法もあります。クリエアナブキのBPOでも、業務内容をヒアリングしたうえで、マニュアル作成をサポートしています。

業務効率化というと「作業を早くする」ことに目が向きがちですが、そもそも発生させない、回数を減らす、誰でも対応できる状態にするという視点も重要です。

 

社内で担う業務・外部委託を検討できる業務

業務を見える化し、「なくす・減らす・仕組み化する」の視点で見直しても、会社を運営するうえで必要な業務は残ります。
ここで大切なのは、残った業務をすべて今の担当者が抱え続けるのではなく、「誰が担うのが最も適しているのか」を改めて考えることです。自社の社員だからこそ担うべき業務もあれば、手順を整理することで、ほかの人や外部でも担える業務もあります。

例えば、人事制度の設計や評価、採用判断など、自社の方針や個別事情を踏まえた判断が求められる業務は、社内で担う必要性が高いでしょう。

一方で、データ入力や書類チェック、定型的な問い合わせへの一次対応など、一定の手順や基準に沿って進められる業務は、外部委託を検討できる場合があります。私が外部に預けやすい業務かどうかを考えるときに使っている物差しは、「頻度」「再現性」「マニュアル化」の3つです。

  • 頻度:毎週・毎月など、一定の頻度で発生するか
  • 再現性:担当者が変わっても、同じ手順・基準で対応できるか
  • マニュアル化:業務の流れや判断基準を書き起こし、共有できるか

毎週・毎月のように繰り返し発生し、担当者が変わっても同じように対応でき、手順として整理できる。このような業務は、外部委託を検討しやすい業務といえます。
大切なのは、すべての業務を自社で抱えることでも、外部に任せることでもありません。社員が本来注力すべき業務は何かを整理し、そのうえで、自社で担う業務と外部に任せる業務を切り分けることが重要です。

 

BPOを活用するメリット――業務だけでなく、安定して回せる体制をつくる

こうして業務を切り分けてみると、次に見えてくるのは「何を外に出せるか」だけではなく、「どうすれば安定して回せるか」という視点です。
BPOを活用するメリットは、単に社内の業務量を減らせることだけではなく、業務を継続的に回すための体制まで含めて外部に任せられることにもあります。

例えば、同じ時間帯に問い合わせが集中した場合、何人で対応するのか。誰がどの問い合わせにどの順番で対応するのか。担当者が休んだときに、誰が代わりに動くのか。
業務の手順を整えていても、こうした運用体制が整っていなければ、業務は安定しません。
業務を安定して運用するには、人材の採用・教育や繁忙期を見越した人員配置、体制まで考える必要があります。BPOは、こうした運用全体を任せられる点もメリットです。

BPOで成否が分かれるのは、業務のかたちだけではなく、職場のかたちでもある。
地方BPOに関わり続ける中で、私はそう感じています。

 

まとめ

バックオフィスの人手不足を解決するには、「人を増やす」ことだけでなく、業務そのものを見直し、その業務を誰が担うのが最適かまで考えることが重要です。
まずは、日々発生している業務を見える化し、「なくす・減らす・仕組み化する」の視点で整理してみてください。それでも残る業務は、自社で担うべきか、外部に任せられるかを検討してみるとよいでしょう。

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この記事を書いた人

飯間 哲郎

クリエアナブキ BPO担当 マネージャー

香川県出身。大阪・名古屋にて人材関連のセールスを経験後徳島県、香川県等で支店責任者に従事。 ママが子連れで出勤できるワーキングスペース「ママスクエア」を高松・広島・松山で立ち上げ。2021年度より現職。