4月は新入社員の皆さんが参加される研修(新入社員研修、スタートアップ研修)に数多く立ち会いました。

新入社員は「つながり」や「達成感」を求めている

実際に対面研修に立ち合い、デジタルネイティブといわれる世代の新社会人の皆さんが、リアルのコミュニケーションを楽しみながら、協力して課題に取り組む姿を見て驚いたとともに、改めて対面研修の重要性と効果を考える機会となりました。

ある調査では、「対面とオンラインのどちらを希望するか」という質問に、「対面」が50%弱、「どちらかと言えば対面」が30%弱で、80%弱の割合で対面の研修を実施してほしいという調査結果が出ています。

理由としては以下のような回答があり、体験や同期とのつながりを重視する傾向がうかがえます。

  • 対面のほうが質問をしやすい
  • 実際に見たり経験したりするほうが、早く仕事を覚えられると思う
  • 一緒に研修を受けることで、同期同士のつながりができると思う

また近年は、「モノよりもコト」、や、「自分らしさの尊重」がベースにあり、「心を動かされること」や「居心地がよい時間(空間)」を大切にしている人が増えていることも起因しているかもしれません。

効果的な研修にするための取り組み

一方、企業の研修企画担当者は、昨今の様々な状況を鑑み、対面、オンライン双方の実施を検討します。

また研修効果を最大化させるために、「必要スキル・知識の習得」といった早期戦力化と「早期離職の防止」といったエンゲージメントを高めることを目的に、企画を考えます。

具体的には、社会人としての心構え、ビジネスマナー、仕事の進め方、ビジネス文書の書き方、コミュニケーションスキル、主体性発揮などがあり、より多くの知識の習得や、マインドセットをしてほしいと思うのが本音ではないでしょうか。

しかし、研修終了後にそれぞれの配属先で自信を持って働いてもらうためには、ただ知識を教え込むだけのプログラムでは十分ではありません。同期同士の仲間意識を醸成させたり、お互いに助け合いながら成長の機会を創出させたりすることで、参加者が研修中に「大きな達成感を得られる」ことが大切です。

では効果的な新入社員研修にするには、どのような取り組みが必要でしょうか?

重要なことは、研修の目的や意義を明確にして、受講者が積極的に取り組める準備を整えることだと思います。

  • 会社、事業への理解の促進
  • 思考・対応力の向上
  • マナー等の規範の習得
  • 業務の基礎知識、スキル習得
  • 環境への適応

そもそも何のために学ぶのか、上記のような目的や意義が伝わらなければ、受講者の積極性は高まりません。

また、新社会人の特徴といわれる「自分のことを認めてくれる環境で、無理なく、無駄なく成長したい」という価値観を理解し、成長を支援することも大切だと思います。

「人生100年時代の社会人基礎力」とは

2017年度に開催された「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」では、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を、新たに「人生100年時代の社会人基礎力」と定義しました。

「社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素を内容としつつ、能力を発揮するにあたって、自己を認識して振り返りをしながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要」と位置づけられています。

 出典:経済産業省ウェブサイト https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html

企業・組織にとっては、VUCA時代(Volatility”変動性”、Uncertainty”不確実性”、Complexity”複雑性”、Ambiguity”曖昧性”)と呼ばれる現代の環境において、新入社員研修のあり方自体も見直すタイミングかもしれません。

最初の一歩を踏み出す新社会人の支援もわれわれはサポートします。何なりとご相談下さい。