2015年くらいでしょうか。女性活躍推進という言葉をよく耳にしました。私は当時、研修営業をしていたので、女性活躍推進研修のご相談が多くあったのを覚えています。

今(2021年)、日本の現状はどうなっているのでしょうか?

気になったので、調べてみました。

ジェンダー・ギャップ指数からの考察

「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report)2021」によると、156か国中、120位。前年の過去最低の順位だった121位と比較し殆ど変わっていません…。

政府や各企業が約5年間取り組んだ結果、全く成果をあげていないように一見感じます。

しかしながら順位だけではなく、その中身やバックグラウンドも考慮しないと本質は見えないと思います。

そこで採点項目のうち、特徴的なものピックアップし、人材サービス業としての女性就業支援経験と、働く妻を持つ一個人の観点から自分なりに考察してみました。

①    経済 

2021年:0.604 / 117位 
2020年:0.598 / 115位
(スコア / 順位)

→スコアも順位もほぼ横ばいです。働く女性は非正規労働者や時短勤務者が多く、女性管理職が少ない状況が変わらないため、賃金上昇が緩やかな日本では改善していないと思われます。

②    政治 

2021年:0.061 / 147位
2020年:0.049 / 144位
(スコア / 順位)

→スコアは改善されたものの順位を落としています。女性の政治家が少ないのは有名な話ですが、他国と比較し、女性政治家の割合が少ないということだと思います。

③    教育 

2021年:0.983 / 92位       
2020年:0.983 / 91位
(スコア / 順位)

→スコアも順位もほぼ変わっていません。初等教育では高いスコアを出していますが、高等教育では低くなっている感じです。大学進学率が男性と比較し、女性が低いということでしょうか。

④    健康 

2021年:0.973 / 65位       
2020年:0.979 / 40位
(スコア / 順位)

→スコアは変わらず順位を落としましたが、世界的に見て高水準は維持しています。

【参照Webサイト】
https://www.weforum.org/reports/ab6795a1-960c-42b2-b3d5-587eccda6023

初等教育や健康など人が生きていくための基礎的項目は世界的に見て高い水準にありますが、いざ社会に出て管理職や政治家などリーダーシップを発揮する、会社や国の方向性を導くようなポジションに就こうとすると、様々な障害があるという感じでしょうか。

実体験からの考察

何となく世の中に出ている情報も併せてみると上記のような感じですが、女性自身が要職に就きたくないと思っている人が多いと感じています。(男性も出世しなくていいと考えている人は多いと思います。)

当社には、派遣や正社員での就業を希望する方が相談にいらっしゃいます。性別問わず”仕事はそこそこ”を希望する方が非常に多いです。管理職になんてなろうものなら自分のプライベートの時間を犠牲にする必要があります。

私の妻も正社員で仕事をしていますが、すでに仕事と育児の両立でいっぱいいっぱいで、管理職になると家庭は崩壊します。そうすると私が仕事を辞めて家庭に入るかという議論になりますが、妻はそんなこと望んでいません。

いくら行政が旗を振っても、企業が女性登用を進めようとしても、当人が望まない状況では何をやっても意味がない。その結果がランキングに出ているのではないでしょうか。

尚、企業が取り組める女性活躍推進で最も効果的なのは、女性の採用数を増やすことだと私は思います。入口を広げずに研修やキャリア支援を行っても効果はでづらいです。

人材サービス会社として貢献できること

そもそも専業主婦であっても、政治家や管理職でなくても、女性が活躍するフィールドはいくらでもありますが、人材サービス会社として女性活躍に貢献できることは、個別のニーズに合わせて就業の機会を作ることだと思っています。

例えば、

に当社は取り組んでいます。性別や国籍でなく企業と人材の個別ニーズにできるだけ応えられるようにこれからも頑張りたいと思います。