当社では、8月から2023年新卒採用に向けてオンラインでのインターンシップを開始しました。

コロナ前は全面的に対面で実施していた新卒採用を、オンライン中心に転換したのは昨年の春以降。「意思疎通しにくい」「手応えがない」と言われるオンライン採用で、いかに会社と学生との相互理解を深め、ミスマッチのない採用につなげるか、当社の取り組みとその感触を中心にお伝えしたいと思います。

オンラインのメリットを活かして取り組んだこと

リクルーターは広域から若手社員をアサイン

コロナ前の当社の新卒採用は、インターンシップ・説明会・面接など、基本的にすべて本社(香川県高松市)で実施していました。採用活動に関わるリクルーター、面接官も自ずと県内在勤の社員が中心でした。

オンライン化によるメリットとして、移動時間やコストの削減が挙げられることが多くありますが、当社の新卒採用においては、これらと合わせて、勤務地を選ばずリクルーターを人選できることが大きかったと感じています。

2時間程度の説明会のために、それ以上の時間をかけて移動してくるリクルーターがいる場合、本来の担当業務への負荷も大きく、スケジュール調整にも気を遣います。しかし2時間のみのオンライン参加であれば、業務の合間に参加が可能です。昨年のインターンシップからは、愛媛・高知・徳島の四国他県、広島・岡山の中国エリアからも、若手社員が参加してくれました。

双方向のコミュニケーションを多く取り入れる

対面で実施するインターンシップや説明会であれば、学生は会社に足を踏み入れ、すれ違う社員の様子を見るだけでも、なんとなく社風を感じ取るものです。オンラインの場合はそれがすべて画面越しなので、社員の温度感や事務所の空気感が伝わらないというのが、会社・学生双方の悩みだと言われています。

そこで当社では、なるべく一方的に話す時間を少なくし、双方向でのコミュニケーションの場を多く設けました。たとえば説明している最中にも、Zoomの「反応」ボタンを使って意思表示してもらったり、投票機能で参加してもらったりなどです。ブレイクアウトルームを使用してグループワークを行う際には、各グループに社員が張り付いて観察・フォローし、最後にはフィードバックも行うようにしています。

対面で実施していた時よりも、学生がじっと話を聞いている時間は格段に減ったと思いますし、社員と学生が一緒にインターンシップの場をつくることで、互いの理解が深まったように感じています。PC操作や対話が多かったため、学生にとっては、「ながら」参加ができない辛さがあったかもしれませんが、「楽しかった」「理解が深まった」という感想を多くもらいました。

すきま時間の座談会で接点を増やす

オンラインの場合、実際に対面・体験するのと比べると、やはり得られる情報は限られています。それをカバーするために、会社と学生の接点を増やすことにも意識的に取り組みました。

そのひとつが座談会です。Zoomで開催する座談会なので、「Zo談会(ずだんかい)」と呼んでいます笑。

主に学生からの質問に答えるためだけの時間を用意し、リクルーターを中心に運営しました。数名の学生を集め、1回あたりの時間は30分~1時間程度なので、運営する当社も、参加する学生も気軽に参加できます。大勢の人がいる中では質問しづらい内容でも少人数であれば話しやすいため、抱えている疑問や不安を解消してもらうことにつながったと思います。

取り組みの成果

「会社の雰囲気」の理解

学生に、会社を選ぶポイントは?と聞くと、高確率で「雰囲気」という答えが返ってきます。抽象的でとらえにくいなと思いつつ、前述した取り組みにより当社の社員を見てもらうことによって、雰囲気を伝えました。

学生からは、「5年後に〇〇さんのようにいきいきと働けたらいいな」「〇〇さんのような社会人になりたいな」という言葉が多く聞かれました。若手社員と多く接したことによって、自分の将来の具体的なイメージを持つことができたようです。

担当者が口頭で説明するよりも、若手社員の言葉や姿から、会社の理念や社風をダイレクトに伝えることができましたし、お互いに「雰囲気」の合う就職活動・採用活動ができたと思います。

リクルーターの成長

リクルーターとして参加した社員にとっても、仕事の内容やエピソードなどを言葉にして学生に伝えることで、改めて自社の強みややりがいを再認識したようでした。

これは人事側の狙いのひとつだとは思いますが、私自身もその姿を目の当たりにし、人材育成の観点からも、若手が参加する機会を多く創出できたことは、非常に有効だったと再認識しています。先月から実施しているインターンシップには、さっそく今年の新入社員が活躍していて、頼もしい限りです。

学生同士の交流機会

副次的な効果として、学生同士が仲良くなることも挙げられます。

オンライン主体の就職活動では、同じ場に参加している学生同士が気軽に話し、情報交換する機会がほとんど無いと言われています。当社の場合は学生同士の会話も多いので、1日が終わる頃には仲良くなって、就活を頑張ろうと励まし合っているような姿がよく見受けられました。

人材サービス事業を行う当社にとっては、多少でも就活の不安を解消するお手伝いができたことも、喜びのひとつでした。

2022総括と2023新卒採用に向けて

以上の結果、当社の2022卒採用は、比較的早期に、内定承諾の目標をクリアすることができました。なにより嬉しかったのは、選考に進む過程で、学生の辞退がほとんどなかったことです。これは、インターンシップなど、初期の接点から、学生の当社への理解が深まり、高い志望意欲を醸成できていたからではないかと考察しています。

とはいえ、最近始めた今年のインターンシップでは、昨年とはまた様相が変わってきているようにも感じています。コロナ禍2年目に入り、企業も学生もオンライン慣れしてきました。環境も人々の意識も刻々と変わりゆくなかで、いかに理想の採用活動を実現していくか、人事担当者の苦悩は終わりがありませんね。

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