あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

香川県のお正月料理で特徴的なものといえば「あん餅入りのお雑煮」ですね。

砂糖が貴重で庶民の口に入ることのなかった江戸時代、正月くらい甘いものを食べたいという庶民が、お役人にわからないようにするためにあん餅をお雑煮にいれたという話が残っているそうです。

子供のころはよく食べていた私の家でも、なぜか最近は全く作らなくなっていました。調べたら県内でも6割くらいの家庭でしか作っていないようで、私の周りでも食べたことがない、という人が結構いました。

香川県内の喫茶店や甘味処、うどん屋さんではメニューとしてお店で出しているお店もあります。ダシの効いた白みそのお汁に、金時にんじんや大根などの具と甘い餡子入りのお餅。餡の甘さと白みそのしょっぱさが意外に合う一品です。 機会があればぜひ一度お試しください。

 

さて、2020年最初の「仕事と暮らしのコラム」は、転職活動で避けては通れない「採用面接」について、中でも締めに近いところで出てくる「逆質問」をテーマに取り上げます。

「採用面接」と「何か質問はありますか?」の意図は何か。

いよいよ面接が近くなってきた、志望動機や自己紹介は考えた、想定質問への答えもいくつか準備した。こういった方でも「何か質問はありますか?」と聞かれたときにする質問を用意している方は意外に少ないようです。

面接のときに応募者からする質問のことを”逆質問”というそうですね。面接で応募者は質問を受ける立場。だから応募者がする質問は”逆質問”。

実際に皆さまの転職に関わる仕事をしている身としては、この”逆質問”という言葉自体に少し違和感があります。

なぜなら、面接で面接官は必ずしも質問ばかりしているわけではないからです。

私のお会いする人事担当者の方々は、面接を通して応募者のことを理解しようとするとともに、自社のこともしっかり説明をして応募者に理解してもらおうと努力されているようです。

面接が始まる前に会社説明をする会社や、施設見学の時間を設ける会社もあります。

私たちクリエアナブキから推薦した応募者の方の中には、面接後に「会社のことを詳しく説明してくれて理解が深まった」という話をされる方が少なくありません。面接は一方が質問をして一方が答える場ではなく、相互理解の場と考える企業が増えているように思います。

理解促進と自己PR、どちらが最適?

また、何人かの人事担当の方に、何のために面接の場で「何か質問はありますか?」と質問を促すのか聞いたことがあります。すると皆さん一様に「応募者に自社への理解を深めてほしいため」とおっしゃいます。

一方で、求職者の中では、面接の”逆質問”を通して自分のやる気をアピールしようとする方もいらっしゃいます。

この面接の場の質問をアピールの場と解釈して、質問の形を取りながら自分のやる気ばかりを伝えようとしたらどうなるでしょう。

お互いが理解してもらおうという状態になりますので、相手がグローブを構えていないのに同時にボールを投げあうキャッチボールのようになってしまいそうです。それよりも相手がボールを投げやすいようにしっかりと構える、つまりは理解したいという姿勢を伝えることが重要なように思います。

「何か質問はありますか?」が最後の質問の可能性が高いとはいえ、自分がアピールしたいことをばかりを前面に押し出して話すのは逆効果です。「会社(仕事)の理解がどの程度進んでいるか」「どのような点を重視しているのか」などを見られていると思って、相手が答えられる”質問”をしましょう。

「何かご質問は?」”逆質問”のヒントと例

では、実際にどんな質問すればいいのでしょうか。

ホームページや求人票に書いていることや、面接において説明してもらったこと以外で、気になっていることを聞けばいいのですが、何を聞いていいのか浮かんでこないこという方も少なくないと思います。

その会社で働くことをイメージしつつ、「ひと」「会社」「時間」を軸にわからないことが無いか、入社を検討する上で重要なことはないか考えてみてください。

ひと/同期、他の中途採用者、先輩、上司、役員、人事、取引先、協力会社など

例えば…

  • 私と同世代の方ではどんな方がいらっしゃいますか?
  • ここ最近で仕事で大きな成果を上げた方の事例などございましたら、お聞かせいただけませんか
  • 御社で活躍されている人材の特徴があれば教えてください

会社/方向性、仕事、商品やサービス、評価、教育、報酬、設備、環境など

例えば…

  • 御社にご縁をいただいて入社する場合に、事前に理解しておいたほうがいい御社の企業文化や、習慣などはありますか
  • 私の志望する○○職の評価はどのようになっていますか
  • 同業の○○社をどのように評価されていますか。
    (または、注目されている同業他社はございますか、どのような理由で注目されていますか)

時間/過去、入社直後、1年後、数年後、10年後

例えば…

  • 入社までに準備しておくことがありましたら、お聞かせください
  • 過去の御社と比較して変わったこと、変えてきたことがあればお聞かせください
  • (部署/会社)今後の計画されていることやビジョンがございましたらお聞かせください

まとめ

採用面接は、求職者の側からも面接は会社(仕事)について直接聞くことができる貴重な場です。大切なことは、やる気アピールだけではなく、相互理解の場として面接に臨むことのように思います。

”逆質問”も同じです。「質問はありますか?」と聞かれたから質問をするだけでなく、答えてくれた内容をしっかりと理解できたことを伝えることも忘れずに。その回答に対して感じたことやお礼を前向きな言葉にすると、相手にもよい印象を与えることができると思います。

 

さて、子供の頃は作ってたあん餅雑煮をなぜ最近全く作らなくなったのか、気になって母に聞いてみると、「亡くなった祖母が好きだったから作っていたが、私は好きじゃなかった」とぽつり。お役人に見えないようにお餅の中に隠された餡と同じように、母の本音も何十年と隠されていたのでした。

十二支の初めとなる子年の2020年、転職を希望する皆さまが望む未来を手に入れられるよう、本年もクリエアナブキ キャリアコンサルタント一同、精いっぱいサポートして参ります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。