しごと
2021/08/04
【働き方は生き方だ】社会保険の適用拡大でママ・主婦の働き方が大きく変わる!?扶養内から一歩踏み出す
しごと,働き方は、生き方だ
2020年6月に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金制度改正法)が公布されました。
この中でとくに注目されているのが「社会保険の適用拡大」です。
この改正により、短時間労働者でも要件を満たす場合、幅広く社会保険の被保険者となります。
これまでは従業員数500人超の企業に対して社会保険の適用義務がありましたが、この改正により、その範囲が段階的に拡大され、2022年には従業員数100人超の企業に、2024年には50人超の企業に適用されます。
また、雇用期間についても、これまでの「雇用期間が1年以上見込まれること」から「雇用期間が2か月以上見込まれること」に変更となります。
対象 |
要件 |
2016年10月~ |
2022年10月~ |
2024年10月~ |
事業所 |
事業所の規模 |
常時500人超 |
常時100人超 |
常時50人超 |
短時間労働者 |
労働時間 |
週の所定労働時間が20時間以上 |
週の所定労働時間が20時間以上 |
週の所定労働時間が20時間以上 |
賃金 |
月額88,000円以上 |
月額88,000円以上 |
月額88,000円以上 |
|
勤務期間 |
継続して1年以上使用される見込み |
継続して2か月を超えて使用される見込み |
継続して2か月を超えて使用される見込み |
|
適用除外 |
学生 |
学生 |
学生 |
参考)日本年金機構 要件早見表
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html
派遣社員にとって影響はある?
上記の通り、これまでの社会保険加入要件の一つ「1年以上の雇用期間が見込まれる」という要件は、2022年10月の改正法施行後は、フルタイム勤務の労働者と同様に「2ヶ月以上の雇用見込みがあること」となります。
もともと事業所の規模 が500人超の派遣会社(弊社クリエアナブキもこれにあたります)で働いていたり、登録している派遣社員にとって、影響が大きいのはこの「雇用期間」に関する変更でしょう。
例えばこれまではこういった条件のお仕事は社会保険加入ではありませんでした。
- 期間:半年間の期間限定(更新無し)
- 時給:1,100円(月収約11万円)
- 時間:1日5時間
- 勤務日:月~金(週5日)
しかし2022年10月からは、こういった働き方を選ぶ場合も、社会保険に加入することとなります。
今、社会保険に加入してないのに加入するメリットがある?
まずは改めて、社会保険に加入した場合のメリットを見てみましょう。
- 健康保険では、病気やケガ、出産によって仕事を休まなければならない場合に給付を受け取ることができます(傷病手当金、出産手当金)。
- 厚生年金に加入することで、将来基礎年金に上乗せする形で報酬比例の年金(厚生年金)を受け取ることができます。
- 障害がある状態になり生活や仕事などが制限されるようになった場合、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が給付されます。
- 万が一亡くなった場合に、ご遺族の方が遺族厚生年金を受け取ることができます。
- 現在国民年金や国民健康保険に加入している場合は、保険料が会社と自身で折半になるので保険料が安くなることがあります。
以上のようなメリットがありますが、逆に会社と折半とはいえ社会保険料を払うことになるので、その分手取りは減ります。手取り金額を減らしたくない方にとっては、このことがデメリットとなるでしょう。
で、今後の働き方はどうする?
現在、多くの主婦の方から「扶養枠内で働きたい」「社会保険に加入したくない」という声をお聞きします。
それに対して、扶養枠内で働ける求人は現状でもそんなに多くはなく、人気の条件のお仕事には応募が殺到する実状があります。
そこへ来て更に2022年10月からは社会保険適用の範囲が拡大。社会保険に加入せずに扶養内で働くという事が、今よりも難しくなるであろうことが容易に想像できます。
法律が変わることはもう決まっていることなので、その時になって慌てるのではなく、知った上で自分の働き方をイメージしておきましょう。
「お金」「時間」、そして「キャリア」という視点を
短時間での仕事を希望する方にお話をお聞きすると、大きく分けて「お金」と「時間」の2つの面からお仕事を探している方が多いようです。
■お金
- 収入…いくら稼げるか
- 扶養に入るかどうか…ざっくり言うといくら引かれるか
■時間
- 家事、育児の時間…どれだけ確保したいか、しなければならないか
- 勤務場所…通勤時間、保育所への送迎の時間などに影響
これらはもちろんとても大事なことですし、「今この時」に最も気になることだと思います。
この2つに加えて、私はぜひ「キャリア」の視点も加えてみてほしいと思います。
人生100年時代。たとえば今35歳の場合、70歳まで働くとして、あと35年。
この35年をどう過ごすか。
それには「今この時」の仕事選びが大きく関わってきます。
年齢を重ねるごとに、仕事に就く際には経験が重視されるようになるので、今どういった経験をするのかということが将来に大きな影響を与えるのです。
もし、扶養枠内で働ける条件に限って仕事を探しても見つからない場合は、「キャリア」の視点を思い出して、「本当に扶養枠内じゃないとダメなのか」を考えてみても良いかもしれません。
健康保険や厚生年金が引かれるので「今この時」に少し損をするような気持ちになるかもしれませんが、生涯賃金や自分の生きがいを考えたときに、それは本当に「損」なのか?
そういった視点を持つこともこれからの時代には必要なのではないでしょうか。
とにかく先行き不透明なこの時代。お金は使えば無くなりますが、身につけた知識や経験は、決して誰にも奪えない一生の財産になるのですから。
「働き方」は「生き方」です。
1人ひとりの「生き方」に「正解」なんてもちろんありません。
「正解」が無い問題を考えるのはけっこう怖いものですよね。
でも、先が読めない複雑なこんな時代だからこそ、「キャリア」という視点をもって「働き方」を考え続けていくことが必要だと私は思います。
もし自分で考えてよくわからなくなったときや、まずは相談して色々整理したいときは、クリエアナブキのキャリアコンサルタントにぜひお気軽にご相談くださいね。
【コラムのご紹介】
最後に、女性が働き方を考える上で参考になるコラムを紹介します!気になるものがあれば読んでみてください♪
▼働き方でこんなに変わる!?女性の生涯賃金について考える
https://mamatomo-lab.jp/column/money-plan/
▼復職を迷うママたちへ。恐れず社会に飛び出そう!20年ぶりに復職した経験から伝えたいこと。
https://mamatomo-lab.jp/column/return_to_work/
▼お仕事復帰したその後のママのご相談。人材サービス会社でお仕事紹介担当をしているワーママが答えます。
https://mamatomo-lab.jp/column/casestudy02/
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