東京のテレビ業界で宣伝プロデューサーとして活躍されていた清水 由花さん。この先の人生の拠点として、地元の愛媛県を選びました。愛媛県松山市での暮らしについてお話をお伺いしました。

プロフィール

清水 由花(しみず ゆか)さん

愛媛県出身。松山市内の大学を卒業後、東京へ。
8年間TV業界のバラエティ番組やドキュメンタリー番組のAP(アシスタントプロデューサー)および宣伝企画として活動。
2019年春に愛媛県にUターン。
現在は、株式会社フラッグ(flag Co.,Ltd.)松山オフィスにWEBマーケティングコンサルタントとして転職し、メディア大手を顧客とした宣伝業務等を担当。2019年10月に開設する広島オフィスの業務にも携わり、松山を拠点に中四国を中心に活躍中。11月からはアカウントエグゼクティブとして勤務する。

35歳、東京から地元愛媛にUターンすることを選択

年齢的にも35歳という、女性にとっては節目とも言える歳を迎えてこれからの自分の人生を考えたときに、「どこを生活の拠点にするか」がすごく重要なことだと感じ、愛媛県にUターンすることを選びました。仕事についても実力がついて、「どこでも通用する!」と自分に自信が持てたタイミングでもありました。

Uターンの条件として、「しごと」の優先度は高かったです。ずっとテレビ局で仕事をしてきて、東京で頑張った10年間を無駄にせず、しっかりとキャリアアップできるよう、仕事内容と条件面も妥協したくはありませんでした。

とはいえ、「地方でメディアを使った宣伝の仕事はあまりない」と聞いていたので、正直、宣伝の仕事が松山でできると思っていませんでした。この仕事で戻ってこられて幸せです!

Uターンを決めたとき、東京暮らしの10年で出会った多くの友人たちが何度も送別会をしてくれました。寂しがってくれたのと同時に「帰りたいと思える場所があってうらやましい」といっていた友人の言葉が印象に残っています。

会社には、転職先が決まってから辞めることを伝えたのですが、すごく残念がってくださって、引き留めていただきました。転職した今も、仕事の繋がりがあり、良い関係が築けています。

今の仕事で松山に戻れて幸せです!

東京のキーTV局で働いた8年間で得がたい経験を

以前は、キーTV局の「宣伝プロデューサー」という肩書で、総合的に関わっていくので、仕事量も多く、現場とデスクワークが半々といったところで、常に時間に追われていました。また、業務委託という働き方をしていたので、保障がなく、休むにも休めない状況が続いていました。

職場では年上の先輩も多かったです。中堅だった私は、後輩の育成も担当しつつ、自分では処理しきれないことは経験豊富な先輩に相談し、先輩のやっていた方法を真似して、自分のものにすることで乗り超えてきました。

多様な経験ができるテレビ業界で、自分の名前が残る仕事を多くさせてもらったり、たくさんの輝いている方々と交流させていただいたのは良い経験になりました。

これまで培ったスキルを松山でも活かせるように努力

今の職場では、デジタルに特化したプロモーションのプランニングや、コンサルティングに集中することができ、日々の仕事がしっかりとやれているという実感があります。会社員になり、社会保険などの保障もしっかりとありますし、夏季休暇ももらえるのもありがたく感じています。

仕事内容としては、確かに地方の案件が多くてスケール感が違うところもありますが、今まで培ったことを存分に生かせるように努力していますし、ふるさとである四国の活性化に興味があるので、楽しく仕事ができています。

また、全体的に若い会社なので、年齢的には「お姉さん」的存在です。立ち回り方もずいぶん変わってきました。まだまだ成長段階の会社だということもあって、上司に相談しつつも「先人の知識に頼る」ということがあまりありません。その分、プレッシャーが大きいと感じることもあります。

まだ思うようにいかないところもありますが、想像していた以上に楽しく仕事をしています。本当は、もう少しゆっくり生きていこうと思い、松山に帰ってきたのですが、体質なのか結局ずっと仕事のことを考えてしまって、結構忙しく過ごしています。

自転車で10分。通勤ストレスがほぼゼロに

通勤は自転車で10分なので、本当に楽です。満員電車に乗ることもなく、終電も気にしなくてもいいので、ストレスを感じることがありません。

東京に住んでいる頃は、ドアtoドアで1時間は見込んでいないと打ち合わせに間に合わなかったですし、帰りも遅くなってしまうと終電を逃し、会社の深夜宅送 (編集部注:テレビ業界などで使われる用語。公共交通機関が使えない時間にタクシーなどを使って送迎すること) を利用していました。それが今は、仕事が遅くなっても自転車で10分あれば自宅に到着!! 以前は、最寄りの駅から歩いて10分だったのになぁと、ふと考えて、少し得をした気分になることがあります。(笑)

12年ぶりに戻った松山での生活

お金を使うことが減ったな。と感じる日々

松山は、やはり穏やかです。急いでいないというか。
自転車でどこにでもいけるし、時間がゆったりとしています。散歩がてら街へ行ったり、路面電車に乗ったり、温泉に行ったりするだけで(温泉はまだあまり行けてませんが)、リフレッシュできます。人も優しいし、暖かくて、戻ってきてよかったな!と実感しています。

以前東京に居た頃には周囲に飲食店も、ファッションビルやデパートもたくさんあるので…。週に何度も、友人と呑みに行ったり、洋服や雑貨を買って帰宅したりしていました。

松山も、街まで出ると、お店はたくさんあって困ることはないですし、今の職場でも、週末や仕事終わりに食事にいったり、年下の同僚と仲良く過ごしていますが、全体的にお金を使うことは減ったなと感じることはあります。職場から自宅までの間に、ルミネやパルコ…ではなく、大きなスーパーがあるので、自炊する頻度が増えました。

不便な点は特にありませんが、・・・大好きなタイ料理屋さんがほとんどありません。洋服や雑貨はWEB店舗でどうにでもなりますが、食だけはやはりお店で出来立てを食べないと!そのくらいですね。 サイ○リアがないのも少し寂しいかも(笑)

友だちも家族も近くに。

Uターンした当初は、松山での友人は少なく、引きこもりがちでしたが、今は幼馴染が働いている飲食店を通じて友人もできました。地元の同級生とも再会し、少しずつ交友関係も充実してきています。松山の人はみんな優しいので、ついつい甘えてしまいます。

宇和島市の実家にすぐに帰ることができるのも、松山へ帰ってきてよかったことです。土日でも、フラッと実家に帰ります。金曜の仕事終わりで実家に帰って、日曜に松山に戻ることも。バスかJRで2時間ほどあれば帰れるので、やはりそれはうれしいです。母も、宇和島市からよく松山に遊びに来ます。両親も高齢なので、近くにいると安心するようです。

これからは地元の活性化を

今後は、東京時代も含めた人脈とスキルを活かして、地元の活性化をしたいなと思っています。松山オフィスではまだイベントは手掛けていないのですが、県外からたくさんの人に来てもらえるようなイベントをやりたいです。

実は、20代の頃は趣味の延長でバンドをやっていたくらい音楽が好きなんです。前職で知り合ったアーティストの方もいますし、松山はわりとロックバンド系の音楽が盛んな街だと思っているので、音楽系のイベントができたら楽しいかなと思っています。アニメも好きなので、声優さんの音楽イベントもいいですね!そんな企画をお持ちの方、スポンサーになってくださる企業の方、ぜひご連絡ください。(笑)