キャリア, 働き方
先日、大阪・中之島(なにわ橋駅)に行った際、新しい建物ができていたので、外から少し覗いてみたところ、「こども本の森 中之島」と書いてありました。その名の通り、土曜日はこども優先、かつ予約もいっぱいでしたが、せっかく来たのだしと入口付近まで階段を上ってみました。
するとそこには、私の身長をはるかに超える、大きな青いリンゴのオブジェがありました。

「こども本の森 中之島」は、本によってこどもの豊かな感性・想像力をはぐくむことを願って、建築家の安藤忠雄さんが発案・設計・寄付し、名誉館長として京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥さんを迎え、2020年7月に開館した図書館です。
お話を戻すと、先ほどの存在感のある青いリンゴのオブジェ。よく見ると近くの塀にサミュエル・ウルマンの「青春」の日本語訳と、こどもに向けられた安藤さんオリジナル訳があります。
今日はこの詩について少しだけご紹介しながら、自分らしいキャリアについて少し考えてみたいと思います。

「青春」の詩について一言お伝えするとしたら「青春とは人生のある時間を言うのではなく心の状態である」ということ。少しだけ、私の手元にある「青春」の詩訳を抜粋してみます。
“歳月を重ねるだけでは 人は老いはしない”
“理想を失うときにのみ 人は老いる”
皆さんは年齢の節目に、何となく焦りや行き詰まりを感じたり、年齢を理由に諦めようとしたりしたことはないでしょうか?特に30代後半~40代は「中年の危機」といって、身体や職場、家庭、社会的役割などの変化をきっかけに、自身の価値観が揺らぐ時期と言われています。
そんな時にこの詩を読むと、少し勇気をもらえたり、背中を押してもらえたり、時には厳しく叱咤激励してもらっている気持ちになるかもしれません。実際のところ、能力や対応力はあるのに、年齢制限の壁でチャレンジができなかったり、可能性が閉じられていくような現実に、直面することはなかったでしょうか。
ただその一方で、70歳で社長を退き、新会社を立ち上げてイキイキと商品やサービスについて語られる方もいます。また、50代、60代に自分のキャリア(やりたいこと・進みたい道)を新たに見つけたり、今までの分野をより深める中で、勉強や努力をし直している方もたくさんいます。
この違いは何かを自分なりに観察してみたところ、後者の方たちは好奇心旺盛で、自身の強みも弱みも良く分かっていて謙虚、そしてとにかくチャレンジして(失敗しても)前に進んでいる人が多い気がします。

年齢を重ねるにつれ、また時代が変動する中で、今までの常識や成功体験が通用しない場面に出くわすことも増えてきます。そんな中でも後者の方々は、成功体験さえもいったん手放して、新たなチャンレジをしているように感じます。
ちょうど、私が好きなキャリアの考え方「プランド・ハップンスタンスセオリー」をまさに実践しているのだと気づきました。「プランド・ハップンスタンスセオリー(日本語訳:計画された偶発性理論)」とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授の提唱した、キャリアの考え方です。
クランボルツ教授はまず、「キャリア(人生という広義)の8割が予期しない出来事や偶然の出会いによって決定される」と考えます。そして、その予期しない出来事は、ただ待つだけではなく、自ら創り出せるように積極的に行動していくことで、自らのキャリアを形成していくという考えです。
この、自ら創り出すように計画した偶発的な出来事には、以下の5つ行動指針が大切と言われています。(気になる方はぜひ詳しく調べてみてください)
① 好奇心 新しい学びの機会を模索する
② 持続性 失敗に負けずに努力し続けよ
③ 柔軟性 姿勢・状況を変えよ
④ 楽観性 新しい機会は必ずやってきて自分のものにできると信じよ
⑤ 冒険心 結果が見えなくても行動を起こせ
上記の5つを実践していると、日々訪れては消えていく出来事や出会いを自らのものにし、しっかりと掴め、キャリアを拓いていける。皆さんの人生にも「あの出会いがあったから」「あの出来事が今となってはいい転機となった」など、思い出されることはないでしょうか?

これからは、自分の生き方を問われる時代になるとも言われています。
本当に自分が望む人生をイメージした時、そのための10年をどう生きたいのか。その自分なら今どんな選択をするのか。と問いながら、今まさにこの瞬間から、5つの行動指針を実践しつつ進んでいくと、いろんなチャンスに気づくことができます。
また、一見望まない出来事も、チャンスにすることができるかもしれません。そしてそれが望む自分に出会う近道になるのではないかと思います。私自身、大学の恩師から卒業式に「青春」の詩をいただいたのですが、当初は意味が分からず、机にしまい込んでいました。
しかし社会人になり、苦しい時期に、ふとその詩を見つけて読んでみると、とても心に響いてきたのです。そこから自分の可能性を信じて、「私は一生、人のキャリアを支える世界で生きていくんだ」と思ったのを鮮明に覚えています。
今、10年以上の時を経て、街中で偶然「青春」の詩と出会ったのも、「年齢を言い訳にして、自分に限界や制限をつけていないか」「守りに入らず自分の可能性を信じているのか」と問いかけられているように感じました。
誰の中にも輝く可能性はある。だからこそまずは自分で自分を信じてあげること。ここがスタート地点かもしれません。そして皆さんの人生が厳しいことやつらいことも含めて自分らしい人生となるよう、クリエアナブキとの出会いを通して、私自身が少しでも皆さんの役に立てたらいいなと思っています。

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クリエアナブキ 「仕事と暮らしのコラム」 執筆
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