マニュアルで、章扉にその章の見出しをまとめた目次を作成する方法について質問をいただいたので書いておきます。複数の方法のうちの 1 つとしてお試しください。

下図の赤枠のところにそれぞれの章の目次を配置するイメージです。前提として、章ごとにセクションを分けておきましょう。

今回使う文書では章のタイトルに「見出し 1」スタイルを、節のタイトルに「見出し 2」スタイルを適用してあります。

章扉の目次に関してはこのスタイルは関係ありませんが、文書の構成を管理しやすく、全体的な目次の作成もしやすくなるので見出しは使うことをおすすめします。

目次として使いたい見出しに TC フィールドを追加する

[編集記号の表示 / 非表示] をオンにして、編集記号が表示されている状態で操作します。

  1. 見出しの先頭にカーソルをおいて、[Ctrl] + [F9] キーを押します。


  2. フィールド コードを記述するときに必要な括弧が入力されます。


  3. 括弧の内側に赤字の部分を入力して追記します。

    TC "目次として使いたい文字列" }
     
     二重引用符は半角で、目次として使いたい文字列は現在の見出しを見ながら手入力してよいです。文字列をコピーしたりするとフィールド コードの下にある下線が消えてしまうことがあるので注意してください。


  4. 括弧の内側に青字の部分を入力して追記します。

    TC "目次として使いたい文字列" ¥f ●●}
     
     「¥f」 はスイッチと呼ばれるフィールド コードによる処理に追加するオプションです。
     f スイッチは、登録しておいて目次として利用するフィールドだよ、という目印を付けているイメージです。
     
     ●●の部分は、あとで「●●という文字列を含む TC フィールドを目次にしなさい」と指定するときに使うので、章ごとに異なる文字列にしておきます。章ごとに一致しない文字列を追加することをおすすめします。(Ch1、Ch2 とかはダメ)


  5. 括弧の内側に青字の部分を入力して追記します。「¥」の後ろは小文字の L (エル) です。

    TC "目次として使いたい文字列" ¥f ●● ¥l 2}

    l (エル) スイッチでアウトライン レベルを指定しています。
    たとえば、ここで「1」を指定すると目次を作成したときに「目次 1」スタイルが、「2」を指定すると「目次 2」スタイルが適用されます。


  6. 作成したフィールド コード (括弧で記載されている部分) を選択してコピーし、同じ章のほかの節 (見出し2) の先頭に貼り付けて、目次として使いたい文字列 (二重引用符の内側) を編集します。

目次登録フィールドを使った目次を作成する

  1. 目次を作成する位置にカーソルをおいて、リボンの [参考資料] タブの [目次] グループの [目次] をクリックして、[ユーザー設定の目次] をクリックします。


  2. [目次] ダイアログ ボックスの [オプション] をクリックします。


  3. [目次オプション] ダイアログ ボックスの [スタイルを指定する] と [アウトライン レベル] を オフ にして、[目次登録フィールドを使用する] をオンにして [OK] をクリックします。


  4. [目次] ダイアログ ボックスの [OK] をクリックします。


  5. 目次作成用のフィールド コード (TOC フィールド) が挿入されますが、f スイッチの指定が不足しているためエラーになります。フィールドの上をクリックしてカーソルをおいて、日本語入力をオフにして [Shift] + [F9] を実行します。


  6. 「¥f」の後ろに、見出しに設定した TC フィールドで指定した文字列 (ここでは 概要) を追加して、日本語入力をオフにして [F9] を実行します。


  7. 目次フィールドが更新されます。

その他の章の f スイッチと目次を作成する

第1章での操作のみ細かく記載しましたが、第2章、第3章の TC フィールドと f スイッチについての例を残しておきます。

■第2章: f スイッチ 「作成」

■第3章: f スイッチ 「操作」

全体の目次を作る

  1. 目次を作成する位置にカーソルをおいて、リボンの [参考資料] タブの [目次] グループの [目次] をクリックして、[自動作成の目次 2] をクリックします。([自動作成の目次 1] でもよいし、[ユーザー設定の目次] から好みの設定をしても OK)


  2. 「見出し 1」 から 「見出し 3」を使用した目次が作成されます。
    今回の文書では、「見出し 2」までを使用しているので下図のような目次が作成されます。

セクションやフィールド コードを使い慣れていないと少しハードルが高いかもしれませんが、逆に、Word のことをしっかりとお勉強してさまざまな設定や仕組みを理解できていると、これらを組み合わせてできることがぐんと増えますね。

章扉の目次も「1.1 Excel のテーブルとは」のように番号を表示したい、見出しの内容が変わったときに更新しやすくしたい、という方は「章ごとの目次を作成する 2」をご覧ください。

石田 かのこ